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【タイ大洪水】洪水対策本部、浸水により移転=都西部で節水規制開始(ウチャ)

2011年10月30日

■【タイ大洪水】洪水対策本部、浸水により移転=都西部で節水規制開始■

*当記事はブログ「バンコクでコンサルティング」の許可を得て転載したものです。


■必要なのは飲料水、衛生用品

10月29日は早朝から被災地へ届ける救援物資の配送ボランティアに行ってきました。集積場には一般市民からの沢山の支援物資が山積みになっていましたが、ボランティア自身も被災している方が少なく無く、人員が不足している状態だそうです。

また衣料品等が多くみられましたが、今必要なのは飲料水や衛生用品等の様で、来週あたりから日本からの支援のお手伝いをさせていただくにあたり、良い勉強になりました。

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20111030_タイ_洪水_6
*上記2写真はポストトゥデーの報道。他写真多数。



■最悪の事態は回避=始めての政府予想を下回る被害!?

昨晩は夕方のチャオプラヤー川警戒時間を祈る気持ちで過していましたが、どうやら最悪の事態は回避できた様です。今回の洪水被害が始まってから、初めて政府見解を裏切る!?良い結果が出たのではないでしょうか。
と言っても南下を続ける大量の水流はバンコク以北に停滞したままですので、今後も注意が必要との事です。

昨日の記事にも書きました通り、昨日29日は大潮と満潮が重なりチャオプラヤー川から溢れる水の量がかなりの規模に上ると予測されていましたが、結論から言うと、今回の洪水被害が始まって初めてと言っていいのではないでしょうか。政府の予想よりも下回る規模で新たな堤防の決壊も報告されませんでした。

1カ所でも堤防が決壊すると近隣エリアで被害が拡大すると見られていましたが、インラック首相は首都防衛のための努力が結果に結びついたと自信をのぞかせました。

20111030_タイ_洪水_インラック
カオソッドの報道。


と言ってもバンコクに於ける浸水域は拡大し、首都全50区の内、約半数の区が昨日までに浸水しました。その内の特に都内西部を含む3分の2の区の被害は深刻なものとなっています。新たに浸水があったのはロイヤルオーキッドシェラトンホテル周辺、BTSタクシン橋駅南の造船所とヤワラー周辺一帯。

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タイポストの報道。

関連リンク:
【動画】タイ大規模洪水 大潮によりバンコク東部の日本人が多く居住する地区へも被害拡大(FNN、10月30日17時41分)
タイ洪水:対応ちぐはぐ バス移送…参加わずか100人(毎日新聞、2011年10月30日)


■首相「来週には都の水は引き始める」=サカムポン運輸省、首相の楽観視を非難


インラック首相は昨日インタビューに答える形で、「洪水の被害は今は最悪な状況だが、来週にはバンコクの水は引き始める」との考えを示しました。しかしその後、この発言に対して各方面から批判が相次ぎました。サカムポン運輸相は「防衛に成功したのは昨日の一度に過ぎず、まだ大半の水が北部に残留し南下を続けている中での楽観的な発言は無責任」として首相を非難。

「首都防衛のために東西に分けた水流による被害は拡大し続けており、このまま中心部の防衛を続ければ、スワンナプーム空港も浸水しかねない」との考えを明らかにしました。確かに水流の分布地図を見る限り、まだ多くの水はパトゥムタニー以北に残留している様です。

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マティチョンの報道。



■備えとして代替空港調査を開始

スワンナプーム空港のスック空港長によると、水没の可能性は低いものの、電気系統に支障をきたす可能性があるとの事で、29日ウタパオ空港に専門家を派遣しました。ウタパオ空港と言うと、バンコクから南に200kmにあるPAD(黄服)による空港占拠時に代替空港として利用されたあの空港です。

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マティチョンの報道。


■新たな4区に注意を呼びかけ=都西部で節水規制開始

29日夜、スクムパン・バンコク都知事は都内チャトチャック、ラートプラオ、ワントンラン、フアイクワンの4区の住民に対して浸水被害に注意する様に呼びかけました。また29日の浸水で西部の浄水場施設に汚濁水が流れ込んだとして、水道公社は同エリアへの上水道の給水を1日6時間(AM6~9、PM5~8)に制限し、復旧作業にあたるとしています。それ以外の時間でも水圧が大きく下がる可能性がある様です。

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バンコクポストの報道。

つまりはチャオプラヤー川の氾濫は防ぐ事ができたものの、北部から流入する大量の水に関しては今後も警戒が必要という事でしょうか。報道によるとバンコクに流れ込む水はさらに速度を緩めながらも確実に浸水域を広げている様です。


■ドンムアン空港の洪水対策本部、浸水によりPTTビルに移転

先日浸水したドンムアン空港は場所によって水深が2mに達した事で、同空港に置かれていた対策本部は29日、南に10kmのウィッパワディ・ランシットのPTTビルに移転を開始しました。30日朝現在、BTS(高架鉄道)や地下鉄は通常通りの運行を予定しており、スワンナプーム空港も平常通り開港されています。

関連リンク:
政府の見通しの甘さが…タイ洪水対策本部が移転(テレ朝news、2011年10月30日)

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関連記事:
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【タイ大洪水】政府の洪水対策失敗、2つの要因=長期化する排水処理(ucci-h)(2011年10月24日)

関連リンク:
治水置き去りの政争、タイ洪水「人災」の側面(読売新聞、2011年10月30日)
【映像特集】タイ洪水、国内外の生産を直撃(日本経済新聞、2011年10月30日)

タイ人 大洪水中なのに余裕ありすぎワロタ(2のまとめR、2011年10月16日)

募金情報:

タイ洪水被害への義援金・募金受付まとめ(メモノメモ)

東南アジア(タイ以外|カンボジア、ベトナム、ミャンマー(ビルマ)、ラオス)の豪雨被害に対する義援金、募金、寄付受付がないか調べてみた(メモノメモ)

*当記事はブログ「バンコクでコンサルティング」の許可を得て転載したものです。


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