中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年11月01日
■温泉も重慶モデルだ!
30日、「重慶・中国温泉の郷」キャンペーンがスタートした。初日の目玉企画として用意されたのが「同時入浴世界記録を目指そう」イベントだ。大小15の温泉テーマパークが参加し、1時間に1万4345人の入浴者を記録。湖北省の1万121人という記録を塗り替え、上海大世界ギネスを更新した。
たんなる観光PRイベントで、「重庆非去不可」(重慶に行かなきゃダメでしょ!)というロゴが作られるなど、たんなる観光PRイベントだが、組織委員会は「健康重慶」政策の一環ですと強弁。薄熙来・重慶市委書記が提唱した「5つの重慶」(住みやすい重慶、交通の便がいい重慶、緑の重慶、安全な重慶、健康的な重慶)に即していると言いたいわけだが、温泉まで「重慶モデル」だと言い切られても、わけがわからなくなる一方だ。
(関連記事:市民巨人化計画を発令=平均身長20センチアップを数値目標にする「重慶モデル」)
*画像は南都網の報道。
■中国の温泉レジャー人気
中国では温泉が人気のレジャーとなりつつあり、各地に大型温泉テーマパークが作られている。温泉といっても、大型温水プールやバラ温泉、コーヒー温泉など変わりだねをとりそろえてみましたという作りで、別に地下からくみ出したお湯が使われているわけではない。
まあ、プールみたいにまじめに泳ぐのではなく、男女が水着姿でいちゃいちゃできる場所としては貴重な位置づけなのかもしれない。しかし、郊外型超巨大温泉テーマパークしか知らない中国人観光客が、日本に来て「しょぼっ!」と思ってしまうという大変な弊害があったりもする。
(参照記事:「日本の温泉の魅力を脅かす中国の温泉ブーム」ダイヤモンドオンライン、2011年10月6日)
■上海大世界ギネス
ちなみに上海大世界ギネス認定とのことだが、これは我々が知るギネス・ワールド・レコードとは一切関係がない「ニセモノ」記録。この詐欺的商売は中国メディアも何度も取り上げているが、「お手軽、格安に認定してくれる」上海大世界ギネスの商売は今も上々のようだ。
記事「農民運動会、少数民族運動会……ムダな運動会が多すぎる!人民日報が批判」では、人民日報様が「史上最大、史上最多を好む悪癖が浪費を生んでいるのである、ぷんぷん」とお怒りであったが、北京五輪や上海万博でもやれ、参加国史上最多だ、入場者数史上最多だと、人民日報様も含め、わいわい騒いでいた。こうした気質が抜けないかぎり、上海大世界ギネスのぼろ儲けも続くのだろう。