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不動産物件が半額になる魔法のカード=違法な資金集めとの指摘も―中国

2011年11月03日

金融締め付けの影響で懐具合が厳しくなっている中国不動産企業。新手の資金集めが注目を集めている。



Beijing, China: Liang Ma river, behind Kempinksi hotel / Marc van der Chijs


2011年11月3日付財経網は、中信不動産の違法資金集め疑惑を報じた。


■不動産物件の半額シール

現在、中信不動産の海南省香水湾プロジェクトは「会員カード」なるものを販売している。VIPカード、ゴールドカード、ダイヤモンドカードの3種類があるが、ダイヤモンドカードを取得するには2000万元(約2億4000万円)以上の物件を買うか、100万元(約1200万円)の入会費を納める必要があるという。ゴールドカードの加入条件は中信不動産の物件を買うか、あるいは入会費10万元(約120万円)を支払わねばならない。VIPカードの条件は入会金1万元(約12万円)。

そんな高い金を払ってまで会員カードを作りたくないよ!とお思いかもしれないが、しかしその御利益はあらたか。カードはスイカのようにお金をチャージできるようになっており、中信不動産の物件を買う時、チャージした金額は2倍の金額として換算される。1000万円チャージすれば、2000万円の物件が買える。つまり、実質的には物件が半額になるというすばらしい効果を持っているのだ。


■資金集めか、それとも値引きか

財経網によると、この中信不動産の会員カード、新手の資金集めという疑惑が指摘されている。なにせ今は金融引き締め、不動産規制政策の真っただ中。不動産企業はどこもキャッシュフローの悪化に苦しみ、「あそこがそろそろ倒産かも……」などという噂がまことしやかにささやかれているのだ。将来の半額シールを売ることで、今の現金に換えたいという企業が出ても不思議ではないのかもしれない。

個人的には、値下げするための方便という可能性もあるように思う。中国では不動産物件の値段決定にはお役所の認可が必要で、勝手に値下げすることは許されない。結局のところ、裏でこっそり値下げしたり、「特売セール」名目で値下げしたりという裏技が使われているのだが。

先日、上海市では突然の値下げにキレた買い主が不動産会社のモデルルームを襲撃、破壊するという事件があったが、この時は「団購」、つまりグルーポン系サービスという名目での値引きだった。マンションまでクーポンになっちゃうのだからちょっとすごい。今回の会員カードもあるいは形を変えた値引きなのかもしれない。


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