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中国では倒れている子供を助けるのも危険=学校のお迎えは人さらい対策(百元)

2011年11月04日

■中国では倒れている子供を助けるのも危険なのかもしれない■

*当記事はブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の許可を得て転載したものです。


今回はオタク関係ではない話を一つやらせていただきます。10月6日の記事中国人「倒れた老人を助けるのは危険」では、ありがたいことにかなり面白いコメントをいただいております。

そのコメントでは「日本では子供に声をかけると性犯罪者と思われるので、老人ではなく子供を助けるのが危険」といった話題が出ておりましたが、その件も含めて先日知り合いの中国オタクと話をする機会がありましたので、ちょっとまとめてみようかと思います。

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*先日の女児ひき逃げ放置事件で誰にも助けられず、命を落とした悦悦ちゃん。画像は南都網の報道


■中国と日本では犯罪傾向も防犯感覚も異なる

それで、話した結果出てきたのが「中国と日本では子供が巻き込まれる犯罪の傾向が違うし、子供に対しての防犯感覚も違う」ということでした。

現在の日本では子供が巻き込まれるというと性犯罪がまず心配されているようですが、中国で子供が巻き込まれるのは主に金銭などの利益目的な犯罪ということで、それに対する心配が多いそうです。

例えば誘拐しての身代金要求というのがありえますし、それ以外にも誘拐の目的としては労働力としての売買や、「跡継ぎにする優秀な子ども」としての売買などというのもあったりします。

中でも「跡継ぎにする優秀な子どもとしての売買」というのは中国の誘拐の特徴の一つとも言えまして、良い学校に子供が通っている保護者の方々はこの種の誘拐をかなり警戒しています。


■学校の送り迎えは人さらい対策


実は現在の中国では一人っ子政策などの影響から、跡継ぎとしての男の子、それも優秀な男の子を求めるという空気が出てきてしまい、中には都市部の良い学校に通っているような頭のいい子を養子にしたり、こっそり自分の子供ということにしようと考えるのも出てきてしまっているそうです。

中国では小中、場合によっては高校でも保護者が送り迎えをするのが珍しくないのですが、それは子供可愛さや過保護という面以外にも「安全のため」というのがあり、子供の送り迎えは保護者にとっては当然のことだと考えられています。


■家から数分の距離でも

私が中国にいたときに知り合った日本人のご家庭では子供を中国の現地校(それなりに良いレベルの重点学校でした)に通わせていたのですが、そこの親御さんは家から学校まで歩いて数分の距離ということで、当初は日本の感覚で特に問題ないだろうと子供を一人で登下校させていたそうです。

しかしその後、知り合いの中国人の方から「安全のために送り迎えしなさい」ときつく言われて、その後は送り迎えをするようになったそうです。

また、残念なことにそのご家庭のお子さんが通っていた学校では生徒が誘拐されて郊外で死体が発見されるという事件が実際に起こってしまいました。当時この事件に関して、「誘拐したものの、言うことを聞かないから、使えないと判断されて殺されてしまったのではないか」という話が出ていたそうです。


■「子供は価値のある道具」


嫌な言い方になりますが、中国では「子供は価値のある道具」といった扱いになっている面が今でもあります。

この辺については日本でも老後の世話なども含めて考えれば無いわけではないと思いますが、中国ではその辺について非常に割り切られているというか、露骨な所がありまして、特に中国の貧困層ではそういった所がかなりハッキリと表に出ていたりします。

中国に行った経験のある方はご存知かもしれませんが、中国では子供を使った物乞いや赤ん坊の押し売りが結構ありますし、他にも子供をダシにしたゆすりたかりが少なくありません。


■ひき逃げ女児放置事件


先日中国で起こって日本でも報道されている、ひき逃げされた女児を通行人が助けずに放置していた事件についても、こういった子供を口実にしたゆすりたかりが中国で蔓延していることも影響してしまったのではないかと思えます。

18人が素通り…荒む中国?ひき逃げ女児放置(読売新聞、2011年10月25日)

【動画】車にひかれ動かなくなった2歳の少女と見て見ぬふりをする通行人―広東省(2011年10月17日)

誰も助けてくれなかったひき逃げ事件被害の少女が死亡=中国人の道徳崩壊が話題に―広東省(2011年10月21日)


■一般家庭でも感じる、日本とは異なる「子供」への意識

ちなみにこの「子供が道具」という感覚については、そこまで露骨ではないのですが中国の一般家庭でも日本に比べて強いように感じられる所があります。

一人っ子政策により両親や祖父母の愛情を一身に集めることから「小皇帝」と呼ばれたりもする今の中国の子供ですが、その子供に愛を注ぐのも自分や自分の家の将来のためという部分があります。もちろん子供への愛情に嘘は無いのでしょうが、私が知っている限りでは必ずしも無償や義務ではなく何かしらのリターンを考えに入れてというのがあるように感じられました。

こういった所は日本の家庭でも見られたりすることはあると思いますが、中国におけるその辺の割り切りのスゴさは日本にはあまり無いものですね。

とりあえず、こんな所で。例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

*当記事はブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の許可を得て転載したものです。

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