中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年11月08日
■ありえないムダ遣い
先日、中国ネット界の話題をかっさらったのがこちらの写真。
*鳳凰網の報道。
全高24メートルの巨大・宋慶齡像だ。ご本人の特徴をよくとらえた造形で、宋慶齡を知る人ならば百人が百人、「巨大宋慶齡はんぱねぇ」とつぶやくことは間違いない。
*中国台湾網の報道。
この面白すぎる写真に中国ネット界は大盛り上がり。「どんだけムダ遣い?!」「その金どこから引っ張ってきたの?!」とツッコミの嵐となった。
■中国最強の荒稼ぎ慈善団体・河南宋慶齡基金会
この河南省鄭州市で建設されている宋慶齡像だが、施主は河南宋慶齡基金会という慈善団体。実は今年9月にも話題となったいわく付きの組織だ。批判の先鋒に立ったのは南方都市報。宋慶齡基金会の特集を組み、慈善団体を隠れみのとして、集めた資金を慈善活動に使うどころか、多くの企業を運営していることを暴き出した。特に不動産企業、教育企業で荒稼ぎをしていたという。
2010年末時点でその資産は30億元(約360億円)弱。中国に2000以上ある慈善基金団体の中でもトップを独走している。中国赤十字基金会ですら総資産額は7億元(約84億円)だというから、地方の一慈善団体がいかに異様な肥大化を続けていたかは明らかだ。
■中国慈善団体権威失墜年
2011年は中国慈善団体権威失墜年として中国史に刻まれることはほぼ確定的。その最大の原動力は郭美美ちゃんだろう。「中国赤十字商業総経理」の肩書きで中国マイクロブログにさっそうと登場。バッグやら高級車やらを自慢するセレブつぶやき連発で、「ちょっ、それって俺らの募金で買ってるの?!」と大反響を巻き起こした。
とはいえ、ナンバーワンエースの座こそゆずっても、河南宋慶齡基金会もまた2番手、3番手ぐらいに名前が上がる主力選手であることは間違いない。
その河南宋慶齡基金会が巨大宋慶齡像を造っているということで、「まだ懲りてないの?!」とバッシングを受けたのも当然だ。ちなみにたんなる像ではなく、基部には大会議室が作られ、側にはホテルなども用意される立派な不動産物件だという。
■珍コメントで応戦
というわけで再び炎上しまくった河南宋慶齡基金会だが、コメントがまた振るっている。
「いや、うちは巨大宋慶齡像なんか造っていません。」
「は?いや、誰が見てもあれば宋慶齡……」
「あれは『黄河の娘』像です。」
「は?」
「『黄河の娘』です。」