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「中国指導者の頭の中には常識を司る部分が欠けている」法王記者会見―チベット(tonbani)

2011年11月09日

■7日の法王記者会見より「中国指導者の頭の中には常識を司る部分が欠けている」■

*当記事はブログ「チベットNOW@ルンタ」の許可を得て転載したものです。




上のYouTubeは昨日東京・自由報道協会で行われたダライ・ラマ法王の記者会見の一部。この中、07:30 辺りである日本人が「チベット・中国関係の将来は?(要旨)」と質問した。これに対し、ダライ・ラマ法王は中国の指導者たちを批判する長めの答えをされている。

以下、その部分だけを翻訳した。なお、翻訳は法王の英語をなるべく忠実に直訳したものであり、通訳さんの日本語を起こしたものではない。

誰も問題を欲していない。中国共産党も問題が起こることを歓迎しない。しかし、実際多くの問題は彼ら自らが作り出したものなのだ。だらか、これは明らかに無知(無明)に起因するものだ。ブッダも全ての問題の根本原因は「無知」であると明言されている。私もこれは真実と思う。

中国の友人と会った時には、いつもこう話している。「13億の中国人はみんな本当のことを知る権利がある。一旦、本当のことを知るなら、彼らは何が正しいか、何が正しくない事かを判断できる」と。だから、情報検閲と事実を歪めるプロパガンダは非道徳的だ。

自らの国民をバカにしている。情報検閲、情報操作で日本人は騙されるであろうか?あなたたちは自由で様々な情報へのアクセスが自由にできる。中国にはその自由がなく、政府は自国民を騙し続けている。これは非道徳的だ。そうではないかね。

多くの問題、苦しみがあり、中国の農民、一般人は苦しんでいる。独立した司法システムがない。まず、中国の司法システムは国際レベルの公正なものとなるべきだ。こうなって初めて物事はオープンになる。検閲はなくなり、人々は事実を知る事ができるようになる。

チベット問題に関して言えば、最近私はある中国人から手紙を受け取った。「かつてダライ・ラマは良き宗教人ではあるが、また分裂主義者でもあると思っていた。後にダライ・ラマの考えをある人から聞くに及び、もしもダライ・ラマ法王の中道政策を中国の人々が知るならば、全ての中国人がこれを支持するであろう」とある教育のある北京在住の中国人は私に手紙を寄越した。

他にも多くの中国人と会った。90年代の初め、天安門事件のすぐ後にアメリカのハーバード大学で200人の中国人に会った。その中の20人程は実際天安門のデモに参加した教授、研究者であった。その場で私のアプローチを説明したが、それを聞いた彼らは「もしも、あなたのアプローチが中国の人々に知らされるならば、全ての中国人があなたを支持するであろう」と答えた。だから、全ての問題は厳しい情報操作から来るものなのだ。

これはジョークだが、ある中国政府の高官は私を「悪魔」だと表現した。これを最初に聞いた時、私はイタリアにいた。イタリアの市長たちと会合中であった。その中には共産主義者もいた、マルクス主義者であってレーニン主義者ではないが……私もマルクス主義者だ、でもレーニン主義者じゃない……とにかく私たちは和気あいあいにやっていた。

あるメディアの人が「中国の指導者があなたのことを『悪魔』と形容したそうです」ということを伝えた。そこで私は(頭の上に手で角が生えてる真似をしながら)「その通り、私の頭には角が生えてる。危険人物だ」と言った。ハハハハハ……一体誰がそんなことを信じるだろうか?それでも、テープレコーダーのようにいつも同じ言葉を繰り返している。バカげてる。

時にジョークで、政治的リーダーに対しても、「頭の一部には普通、常識(良識)を司る部分があるものだが不幸なことに、あの(中国の)強硬主義者たちにはそれが欠如しているのだ」と話す。彼らは常識を使う事ができない。だれも彼らの言う事を信じていない。だのに、同じ事を繰り返す。本当に愚かなことだ。(普通の)中国人はそうではない。真に文化的で勤勉だ。しかし、残念なことに、今のシルテムは……(そうではない)。

革命期や日本と戦争していた30年代、40年代には情報検閲や厳しい規制も少しは意味があったかもしれない。しかし、政府が樹立された後は平和的時期であるはずだ。だのに、なぜこうも厳しいコントロールを行うのか?そして歪んだ情報を流す。

だから、ある意味で13億の民は全て恐怖の下に暮らしていると言える。これは実に不幸なことだ。私は中国政府指導者に対し個人的批判をしているのではない。そのシステム自体が時代遅れだというのだ。そうではないかね?

これは一つの例だが、中国の指導者やメディアは第二次大戦時の悲惨さを繰り返し強調する、特に南京とか、まったく何の利があるのか?それが日本と緊密な関係を作るのに役立つのか?

つまり、常識(良識)が欠けているのだ。

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*当記事はブログ「チベットNOW@ルンタ」の許可を得て転載したものです。


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