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今日は100年に1度の「スーパー独身者の祭り」=欲望渦巻く中国の記念日

2011年11月11日

2011年11月11日。今日は100年に1度の光棍節です。光棍節快楽!(独身者の祭り、おめでとう)



SOBEAR 11.11 光棍节 / 曾东虎


■独身者の祭り


昨年も紹介したとおり、11月11日は光棍節です。
(関連記事:モテなくても楽しけりゃいーじゃん!喪男・喪女の記念日「光棍節」を祝おう

中国語で“光棍”は「樹皮を剥いて作られた棍棒」を意味し、これでは後世に樹木の子孫を残すことはできないことから転じて「独身者」を表す。これに「節句」とか「記念日」を表す“節”を付けて、“光棍節”は「独身者の祭り」を意味するのである。

“光棍節”の起源には諸説ある。1990年代に南京の大学生たちが恋人のいない“光棍(独身者)”をからかって“光棍”を祝う祭りを行ったのが始まりで、これらの大学生たちが卒業して社会に出たことで世間に広まったというのが通説である。それが2000年以降徐々に社会に定着するようになり、2005 年頃からは全国的なものとなった。

今 では中国でも“情人節(バレンタインデー)が定着し、2月14日当日に向けて「愛の告白グッズ」の商戦が盛んだが、これと同様に11月11日の “光棍節”が近付くと「独身者」を対象とする特売広告が氾濫し、商店やネットショッピングで激しい販売競争が展開されるのである。

では、何で11月11日が“光棍節”となったのか。その理由は簡単で、11月11日には数字の「1」、即ち「棍棒」が4本もあるからである。
独身者集まれ!大盛り上がりの“光棍節”(北村豊の「中国・キタムラリポート」日経ビジネスオンライン
*太字はChinanews

で、今年は2011年11月11日と「1」が6個並んでいます。100年に一回のスーパー光棍節だとの煽り文句で、例年以上の盛り上がりとなりました。


■結婚ラッシュ!

この100年に1度の祝日に何が起きているのか?!

まずはこの日に結婚登記をする新婚カップルが激増しています。10日付斉魯晩報は、山東省済南市歴下区結婚登記所の状況を伝えていますが、通常1日あたり20組が登記するところ、11日は100組以上が殺到することが予想されているそうです。職員はいつもより1時間早く出勤し対応するのだとか。ご苦労様です。

中国人は縁起担ぎが大好きで、結婚登記の日もなにかにかこつけた「良き日」を選ぶ人が多いのです。というわけで普段はひまをぶっこいている登記所の職員さんも年に何回かあるピーク時には死ぬほどの忙しさを体験することになります。こういう中国人気質を理解して、事前に書類を提出し指定日に登記する予約サービスも今ではあるようですが。

それにしても独身者の祭り当日に結婚とは……。さらば独身ぐらいの意味かもしれませんが、中国*億人の独身野郎の怒りを買いそうです。


資本主義に毒された中国の記念日

もう一つの盛り上がりは「消費」です。光棍節だから、独身者同士で遊ぼうよ、ご飯食べようよという需要を狙う娯楽産業から、「100年に1度のスーパー光棍節にスーパー安売りセールです!」的なネットショップのバーゲンまで激しく盛り上がりを見せています。

若人は遊ぶ口実が欲しく、ネットショップはセールの口実が欲しい。かくして最近の中国では、クリスマス、バレンタインデーは言うに及ばす、こどもの日、婦人デーにいたるまでともかく資本主義の欲望が渦巻く一大セール合戦が展開されています。中国にしっかりと根を下ろしたグルーポン系サイトも大活躍です。

11日付南方日報によると、ネットショップは1週間前から「全品半額っ!」「9割引商品あるよ!」「1個買ったら2個目はただっ!」というアグレッシブな安売りバトルを展開。11日には大量の商品が動くため、宅配便企業は臨時増員して対応する見通しだとか。

ネットショッピング大手・タオバオモールは物流がパンクした昨年を教訓に、今年は宅配便企業9社と協議し、光棍節セール用に輸送車700台、配達員4万人を確保したそうです。すごい。

まあ、1カ月後にはクリスマスもあって、まったく同じことが繰り返されるわけですが。「楽しいお祭り、大好きです」という気質と、「セールおいしいです、ぐふふ」という企業の論理があいまり、年々「資本主義の毒」が強烈になっていく中国の記念日でありました。


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