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【毒駄菓子拾い食い連続殺人事件】子ども3人が中毒死=知能犯の狙いは「捜査攪乱」―中国

2011年11月11日

ネズミ駆除剤が塗られた駄菓子を拾って食べた子ども2人が死亡する惨事が、河北省唐山市滦南県で起きた。


2011年11月11日、新華社が伝えた。


■毒駄菓子拾い食い連続殺人事件

11月3日、滦南県の農民・于さんが道端で「果丹皮」を拾った。ちゃんと包装されていて新品のよう。「まだ食べられる」と判断した于さんは家に持ち帰り、奥さんと息子と一緒に駄菓子をパクリ。ところがその5分後には中毒症状が現れ、病院に担ぎ込まれることとなった。2歳の息子は手当のかいなく死亡している。
(果丹皮:サンザシの実の餡で作った板を丸めて棒状にしたもの。昔からある素朴な駄菓子。参考リンク

20111111_写真_果丹皮

その後も滦南県では同様の「毒駄菓子」事件が連発した。6日、やはり落ちていた果丹皮を食べた子ども3人が中毒症状を示した。うち6歳の男児が9日に死亡している。

7日にはある男性が果丹皮を拾って家に持ち帰り、17歳の息子に与えたところ中毒を起こし、9日に死亡した。

毒駄菓子連続中毒死事件を受け、警察は捜査を開始したところ、もう1件、毒駄菓子事件があることが判明した。10月31日、市場で成人用品を売っている裴さんが、自分の売り場に落ちていた果丹皮を家に持ち帰ってから食べ、中毒症状を起こす騒ぎがあった。

家族の強い要望で11月6日に退院したものの、まだ意識がはっきりしないという(治療費が払えないので家族が強引に退院させた可能性が高い:Chinanews)


■捜査攪乱のために子どもを殺す

捜査を続けると、裴さんともめ事を起こしていた一人の男が容疑者として浮かび上がった。8日に逮捕された容疑者・涂は、裴さんと同じく市場で成人用品を売っていた。おそらくどっちの商品が安い高いという問題だろうが、商売の問題から殴り合いのケンカになったことがあったという。

以来、涂はいつか報復してやろうと考えていたと供述している。結局、報復手段として選ばれたのは毒駄菓子。包装を剥がし、ネズミ駆除剤を塗った後、新品同様となるようきれいに包装し直して作った。10月31日、涂は報復を決行。裴さんの売り場に毒駄菓子を投げ入れ、その後の「拾い食い→中毒」という事件を起こした。

ここからがさらにひどい話だが、捜査を攪乱するために11月3日、6日、7日と3回に分け、毒駄菓子3個を違う場所に放置した。計4本の毒駄菓子が使われたわけだが、そのすべてが「拾い食い→中毒」という結果を生み出している。最終的に8人が食べ、3人が死亡した。


■都市では使えない殺人手法

ネットでは、あまりにもひどすぎる犯罪に怒りの声があがると同時に、「拾い食いは危険だと啓蒙しなければいけない」との反応も見られた。確かに4個の毒駄菓子すべてが拾い食いされるというのは凄まじい命中率。都市であれば成立しない、田舎限定の殺人手法だろう。

また問題となったのは現地当局の事件隠しだ。事件について新華社が報じたのは11日だが、その前日、10日にネット掲示板で事件の存在が暴露され、注目を集めていた。地元にとっては恥となる事件であり、地方官僚の業績的にもよろしくないという判断でもみ消そうとしたのだろうが、3人も死んでいる大事件を隠し通してしまえという発想は、事件と同じぐらい残念なものと言えそうだ。


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