中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年11月12日
37284-Kathmandu-Boudhanath / xiquinhosilva
2011年11月10日、朝7~8時の間にネパールの首都カトマンドゥ、ボドナート仏塔横で一人のチベット人僧侶が焼身抗議を行った。
彼は灯油を身体に掛け、「チベットに自由を!」と叫んだ後、火を付けた。幸いそばに居た友人がすぐに火を消し、病院に運び込んだという。現在の状況は不明だが、「手を中心に火傷を負っただけで、命には支障はない」という情報も入っている。
10日はチベット暦の15日であり、朝から大勢のチベット人がボドナート仏塔の周りを右遶していたという。事件があった後、すぐに警察と軍が仏塔周辺を閉鎖したが、すでに焼身した僧侶と友人は消えた後であり、周りの目撃者は警察に情報を与えることを拒否したという。
警察当局は「25歳位の男性が『Long live free Tibet』と叫んだ後、自身に火を放ったが、最初から仲間がすぐに火を消す算段をして行ったものであり、これは焼身ではない」と発表している。
亡命チベットメディアは僧侶の年齢を30歳としている。しかし、今のところ僧侶と友人は身元を明かさないようにしているらしく、氏名等詳細は分っていない。
追記:
VOTによれば、僧侶はカム、カンゼ出身。南インドの僧院に所属していたが、現在はジャワルケルのキャンプに住んでいるとのこと。
ネパールは中国ではないが、当局は中国政府の要請に従いチベット人の政治活動を厳しく取り締まっており、警察は決して味方ではない。
(関連記事:「越境チベット人20人拘束=ネパール経由のインド亡命困難に―チベットNOW」2011年9月14日)
カトマンドゥでは、11月2日にも女性が一人灯油をかぶり、抗議の焼身を行おうとしたところを、周りにいたチベット人たちが抑え込んだという事件が起こっている。
参照:10日付けTibet Timesチベット語版、10日付けAFPその他。
関連記事:
亡命チベット仏教リーダー、焼身抗議の中止を要請―チベット(tonbani)(2011年11月10日)
「中国指導者の頭の中には常識を司る部分が欠けている」法王記者会見―チベット(tonbani)(2011年11月9日)
【閲覧注意】炎に包まれながらも合掌を崩さず=尼僧パルデン・チュツォの葬儀に1万人(tonbani)(2011年11月8日)
中国当局「焼身自殺した僧侶たちは思想観念が成熟していない」―チベット(tonbani)(2011年10月27日)
*当記事はブログ「チベットNOW@ルンタ」の許可を得て転載したものです。