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2011年11月12日
■11月11日は独身記念日「光棍節」
日本ではあまりなじみがありませんが、11月11日は「光棍節」(独身者の祭り)という中国の記念日です。「光棍」の意味については諸説あるようですが、最も説得力があるの「枝のない幹」という解釈。つまり父母が幹、子供が枝と見立てた上で、独身者は枝がまったくない木、棍棒のようなものだというわけです。
棍棒が4本並んでいるという理由から、11月11日が「光棍節」となりました。中国独特の記念日で、1990年代に南京の大学生が始めたという説が一般的のようです。
(関連記事:「今日は100年に1度の「スーパー独身者の祭り」=欲望渦巻く中国の記念日」2011年11月10日)
独身者といっても、大学生なので結婚していないのは当然のこと。恋人がいない学生が集まって騒ぐ日として広まりました。1990年代は中国が目覚ましい経済成長を遂げた時期にあたります。こうしたイベントを思いつくのも、まさに時代というものでしょう。
■経済成長が生んだ非モテ文化祭
中国の大学といえば、十数人1部屋の学生寮に寝泊まりし、朝から晩まで授業やら自習やらに追い立てられ、さらに懐も貧しいとあって、デートする暇もお金もないという状況。恋人を作るのは大変でした。それが豊かになるにつれ、恋愛が盛んになっていきます。余裕がでた若者が真っ先に考えるのは、いかに恋人を見つけて楽しい大学生活をエンジョイするかなのです。日本のバブル時代と一緒ですね。
さて、恋人ができると、次は一緒に過ごす記念日が大切となります。付き合いも長くなればマンネリ防止くらいの意味しかないのでしょうが、恋愛にあこがれる若者たちにとっては大事なイベントです。かつての自分を思い出すと、いやというほどよくわかります。
記念日を楽しむ恋人たちの姿を見ると、面白くないのは独り身の人々。なかばやけくそになって、自分たちの記念日を作ったのではないでしょうか。
■負のエナジー満載のイベント
『中国新聞網』が各地の「光棍節」イベントを紹介しています。やはり、なげやりというか、やけくそ気味の活動が多いような気がしますが、それだけに面白いものが多いので紹介させていただきます。
紙吹雪を詰めた枕でのピローファイト。独り身同士がバトルして鬱憤を晴らしたりしている様子。
中国語の「脱」には服を脱ぐという意味と「離脱」するという2つの意味があります。服を「脱」いで、独り身から離「脱」しようというイベントです。
ある意味、もっともわかりやすく、かつ建設的なイベント。広場で彼氏彼女募集の恋文を公開。みんなで恋人を探そうという南京大学での活動。
ちょっと悲しい1人カラオケ。解説によると、歌っているのは「独り身ラブソング」「一生の孤独」という曲とのこと。何ともいえません。
*画像は中国新聞網の報道。他写真多数。
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モテなくても楽しけりゃいーじゃん!喪男・喪女の記念日「光棍節」を祝おう(2010年11月10日)
*当記事はブログ「政治学に関係するものらしきもの」の許可を得て転載したものです。