中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年11月14日
喜羊羊的眼睛 / Renato Ganoza
中国では自国コンテンツを作るために国をあげての後押しをしていまして、アニメもそういった援助を受け制作される数も非常に多くなってきており、制作された長さ(分数)を見た場合はもう日本を超えています。
しかし、そんな大量に生産される中国国産アニメのほとんどは低年齢層を対象としたアニメで、現在の中国オタクが満足できるような作品はなかなか無いようです。そのことに関して、中国のソッチ系の掲示板で話題になっていましたので、今回はその辺のやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。
ウチの国で子供向けじゃない作品がいまだに作られないのは何故だろう?規制とかの問題があるとしても、結構大きな市場はあると思うしどこかが作り始めても良いと思うんだが。
あんだけ子供向けのアニメを大量に作っているんだから、ちょっとは大人向けのを作ってくれてもいいとは思うよね。ウチの国のスポンサーとか制作会社は何やってるんだ。
そもそも大人向けアニメの市場ってそんなに無いんじゃないか?あと今の大人向けというか、子供向けじゃないアニメってアメリカの映画と日本の深夜アニメにファンを取られているし、ウチの国のアニメがどんなにすごくても、まずはそういった作品の海賊版と戦わなければならないからキツイだろ。
アニメに関しては子供、正確には子供とその親以外購買力ないんじゃないかな……。
ハッキリ言って、中国で中二病な内容のアニメとか作ってもコスト回収できないんじゃない?どうやって金を稼ぐんだ?
内容に関して文句言ってくる政府機関が多いんだから、そんなん誰が作ろうとするかよ。
現在のテレビ見てる限りそこまで規制が厳しいわけじゃないし、やってやれないことはないだろ。問題は制作側が売れそうなのしか作らないことだ。
ウチの国では子供以外からアニメで金をだまし取ることはできません。
そりゃ子供よりは金を出させるのは難しいだろうけど、市場はあるだろ?そこを狙う動きがあってもいいのにとは思う。実際アニメ雑誌とか結構売れているだろ。街中のスタンドでもそこら中で売られているし。
アニメ雑誌はイロイロおまけついているし、値段もアニメ買うのに比べて安い。そもそも内容はほとんど日本のアニメやそれに関連する同人活動についてだ。あれが売れるからって中国に大人向けアニメの市場が存在するとは言えん。
今年の夏に公開されたアニメ映画の「魁抜」とかどう?あれは子供向けってわけではないし、あいうのが増えてくれるといいと思ってるんだけど。
(関連記事:「中国国産アニメ映画「魁抜」が結構気合入っているらしい―中国オタ事情」2011年7月14日)
*魁抜公式サイト。
確かニュースによれば「魁抜」の興行成績は350万元(約4280万円)だったらしいから興行的には失敗なんじゃないかな。映画の配給ルートを押さえられなかったのも痛かったし、そもそもオタク層がそんなに動かなかったんだろう。ウチの国のオタクは口では国産アニメを要求するけど、実際に金を落としてくれるわけではない……。
俺は「魁抜」のDVD発売したら買うつもりなんだが、やはり難しいのかなぁ。
私は映画ならともかく、DVDとかBDは買う気にはならない。そんな何回も作品を見返すなんてことをやるのは少数でしょ。マニアな層以外を動かさないと利益は出せないだろうし、子供向けじゃないアニメではそういった層の人気を獲得するのは難しいと思う。
アニメ映画もあんな感じなんだから「作品を売る」方式はウチの国では無理っぽい。テレビ局に売って製作費回収なんてのは絶対に無理だし、DVDについてもウチの国では大人は海賊版を買うし。そうなると、「非子供向け」なアニメは作られなくなるよなぁ……。
結局ウチの国はアニメ作っても儲ける方法が無いんだよね。昔は娯楽やそれに関する情報が少なかったから結構いけたけど今はそうもいかない。てかそもそもアニメを商品にするためのシステムが無いから難しい。現在の中国のアニメは補助金でどうにか生き延びてる。子供向けの作品が増えるのはその方が簡単だし、問題も起こらないからだろ。
ウチの国は安易な方向というか、ローリスクハイリターンを求めるからなぁ……パクリが蔓延するのもそれが影響しているからだろうし。
(関連記事:「「パクリじゃない!リスペクトだ」中国版“もののけ姫”が美猴賞受賞―中国浙江省」2011年4月30日)
正直「喜羊羊」のヒット以降はどれもダメじゃないか?「喜羊羊」は確かにスゴイ売れたし、私の周りも「喜羊羊」が好きな子どもやグッズ買ってる大人とかいるけど、他の後追い作品がうまくいってない。今年の夏のアニメ映画もダメだったし。
(訳注:「喜羊羊与灰太狼」は中国の最近のアニメ作品では空前のヒットとなった作品で、中国国産アニメ最大の成功作品とされています)
昔エヴァとか見ていた層も普通に「喜羊羊」のグッズ買ったりしてるから、市場が無いわけではないと思う。問題はそこに食い込めるような「子供向けじゃない作品」が出ないまま今に至ってしまったことかもな。オリジナルの新作で勝負するより、パクリの方向でやる作品ばかりだったし。
喜羊羊 / dear.God
てか最初から大人向けってのに拘らないでもいいんじゃないか?確かにウチの国はゴミアニメ多いけど、たまに大人が見ても面白い子供向けのアニメとかがある。まずはそういう作品が育つのを期待する方がウチの国では現実的じゃないかなぁ。
お前らの国は規制を廃止出来ないのだから発展するわけないだろ。