中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年11月16日
足球场 terrain de football / Ben XU
■アジア3次予選概況
15日、日本代表は平壌市で北朝鮮代表との一戦に臨んだ。約5万人の大観衆の声援を受けた北朝鮮は試合を優勢に進め、1対0で日本を破った。前節で3次予選突破を決めた日本は先発メンバーを大きく入れ替えたが、相手の勢いに飲まれてしまった。最終予選に向け、控えメンバーの底上げが課題として残されることになった。なお、ザッケローニ監督は日本代表監督就任以来、17試合目での初黒星となった。
4カ国ずつ5グループに分かれた3次予選では、各グループ上位2カ国が最終予選へと駒を進める。第5節終了時点でヨルダン、イラク、日本、ウズベキスタン、豪州、イラン、カタールの7チームが最終予選進出を決めている。来年2月の第6節で残る3チームが決定することになる。15日の試合では韓国がアウェー・レバノン戦で1対2と敗戦し、予選突破を最終節に持ち越している。格下相手に苦戦しているのは日本だけではない、と言えそうだ。
(参照リンク:スポーツナビ、AFC)
■「嘆き芸」に磨きのかかる中国サッカー報道
さて、中国代表だが、第1節こそホームでシンガポール相手に2対1と辛勝したものの、その後は怒濤の3連敗。15日の試合ではアウェー・シンガポール戦で4対0で大勝したものの、ジーコ監督率いるイラクがヨルダンを破ったため、予選敗退が決まった。2002年の日韓W杯で本大会出場を果たした中国代表だが、2006年ドイツW杯、2010年南アフリカW杯、2014年ブラジルW杯と3大会連続で、アジア最終予選にも進めない残念な結果が続いている。
10年近い敗北の歴史が続く中、中国のサッカーライターは「嘆き芸」のレベルを磨きに磨き続けている。「中国サッカー弱さの原因」的な切り口もすでにぺんぺん草が生えないレベルまで分析が続いてしまい、まったく新鮮味がなくなってしまった。今回も「中国サッカー10年10問=サッカー協会は全員辞任すべきか?」(騰訊)といったいつもどおりの記事が流れている。
一応まとめておくと、
・サッカー協会がクソ。思いつきで監督人事をいじるわ、監督の意向ではなく協会幹部の意向で代表選手が決まることも。
・流行りにあわせて、ドイツ式、ブラジル式、スペイン式ところころスタイル転換を試みるけど迷走するばかり。中国式はいつ見つかるのか?
・『親善試合の王』中国代表。弱い国を中国に招いては『*連勝!』とかやっているけど、意味ないじゃん。
・海外リーグ、欧州リーグでまともにプレーしている選手がいない。
・学校スポーツがない中国。若年層のサッカー人口がついに1万人を割った。日本に勝てるはずがない。
・結果主義にとらわれたスポーツ学校。子ども時代に有利な体のでかい選手ばかりが重宝されるが、技術と個性のある選手が育たない。
・各自治体は国内スポーツ大会でのメダル数ばかりを重視。11人でメダル1個しか取れないサッカーよりも、1人で1個のメダルが取れるマイナー個人競技の強化を優先。