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定員オーバーの幼稚園バス、事故で20人死亡=車の改造、逆走も発覚(凜)

2011年11月18日

■9人乗り送迎車に64人乗って事故で20人死亡■


20111117_中国_幼稚園バス_19名死亡
中国新聞網の報道。

中国甘粛省慶陽市正寧県で16日午前、石炭を運ぶトラックと地元の幼稚園バスが衝突。運転手と教師の大人2人、幼稚園児18人の計20人が死亡する惨事となりました。9人乗りの送迎車に64名もの者が乗っていたことだけに焦点があてられているようですが(毎日新聞)、中国で報道されている記事をみると、どうも原因はそれだけではないようです。


■中国メディアが指摘する、5つの事故原因


中国新聞網』の「正宁车祸原因查明 幼儿园董事长和卡车司机被拘」(正寧県の交通事故の原因を調査中、幼稚園の理事長とトラックの運転手は拘束される)では以下の5つの原因を指摘しておりました。

(1)送迎車の運転手の安全意識が薄く、甚だしい定員オーバー、制限速度違反の状態で逆走していた。

(2)幼稚園は自分たちで車両を改造し、椅子をとりはらっていた。

(3)幼稚園の李軍剛理事長は安全意識が欠如。責任者としてしての責任を果たしていない(当該民間幼稚園には737名の学生、28名の教職員がいて、4台の学校の車で送迎していた)。

(4)濃い霧が発生しており、トラックと送迎車の運転手共に緊急事態に対処できなかった。

(5)教育、交通警察部門の監督不行き届き。

■椅子を取り払い、箱詰めに


最初私もこの記事を目にしたとき、どうすれば64名も詰め込めるのかと思ったのですが、確かに椅子がない状態でぎゅうぎゅう詰めにすれば可能かもしれません(実際、すごい定員オーバーの幼稚園バスを見たことがあります)。

生徒全員の送迎が必要でないとしても、737名もの生徒がいて4台しか送迎車がないのでは、確かにこの位は詰め込まないとまわらないかも知れません。


■猛スピードでの「逆走」が最たる原因


しかし、どうみても直接の原因は、スピード違反の状態で逆走していたことでしょう。中国の運転手の運転があらいことには定評があり、ひどい者になると歩行者がいなければ歩道を走ることもある位なので、逆送もないわけではありません。

詳しい状況がわからないので、何とも言えませんが、対向車が来ないと思って、無理な追い越しでもかけたのではないでしょうか。子供達が犠牲になるのは何といってもいたましく、言葉もありません。


■問題追及、是正に動き出した省

事件は当局の責任問題にも発展しています。正寧県の副県長2人、県教育局長、県交通隊隊長の4名が職務停止となりました(中国新聞網)。事件の影響の大きさがうかがえます。

甘粛省政府ではスクールバスの点検、定員オーバー解消のための対策を導入を指示したようですが、そもスクールバスの定員オーバーなど中国全土で「当たり前」の話。今回ほどの定員オーバーは確かに珍しいですが。

20111117_甘粛省_定員オーバー_バス
CRI Onlineの報道。
7人乗りの車に11人詰め込んだ校用車。

いきなりの改善は難しそうですね。ところで記事には「ぎゅうぎゅう詰めなので、ドアの開け閉めも大変」との一説があり、びっくりです。

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*当記事はブログ「政治学に関係するものらしきも」の許可を得て転載したものです。


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