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【続報】艾未未は「祖国に淘汰された」のか?環球時報がまたもトンデモ社説(水彩画)

2011年11月18日

■環球時報がまたも変な社説を披露■

*当記事はブログ「中国という隣人」の許可を得て転載したものです。


現代芸術家にして人権活動家として知られる艾未未(アイ・ウェイウェイ)。中国当局はいいがかりとしか思えない脱税容疑を宣告し、1500万元(約1億 8000万円)の追徴課税を宣告しました。

一方、艾未未支持のネット民たちは、「公開されている口座に勝手に金を振り込み、貸し付ける運動」で対抗しています。この悪ふざけ的支援活動ですが、国内外から続々と振り込みが行われ、ついには850万元(約1億200万円)もの金額が集まりました。

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・関連リンク
その男、危険につき(ニューズウィーク日本版オフィシャルサイト、2011年11月10日)
抵抗はパフォーマンスだ、アートだ(日経ビジネスオンライン、2011年11月9日)
アイ・ウェイウェイは語る
*2011年10月に発売された艾未未インタビュー本。「もし芸術家たちが社会の良心を裏切ったら、人間であることの根本原則を裏切ったら、いったい芸術はどこに立っていられるんだい?」。書影クリックでamazonページへ。


■環球時報「艾未未たちが淘汰されるのは社会の潮流」


「中国官制メディアの突撃隊長」こと環球時報。以前にも艾未未記事批判の論考を発表していましたが(過去記事)、1億円もの「貸し付け」が集まったことを受け、新たな社説を発表しています。予想通りの展開です。

3万人という数字は大きいのだろうか?中国には13億人いるし、新浪微博のアカウントは公称で1億以上だ。艾未未は1500万元を「借り」ようとし、現在までにその目標額の「過半数」を受け取った。もし1500万を大きく超えるなら、「債権者」は数十万、百万人になるだろう。

単仁平「艾未未たちが淘汰されるのは社会の潮流」
環球時報、2011年11月16日

艾未未は「謝辞」を叫び、余った金は返すと言っている。今回の「政治的行動アート」は素晴らしいものに違いない。ただ残念な事に、世界に向けて半分のカネしか借りれなかったことを証明ぜざるをえなくなったのだ。

(…)艾未未は「謝辞」を叫び、余った金は返すと言っている。今回の「政治的行動アート」は素晴らしいものに違いない。ただ残念な事に、世界に向けて半分のカネしか借りれなかったことを証明ぜざるをえなくなったのだ。

(…)仮に外国勢力の支持が無ければ、艾未未は「何者でもなくなる」。艾未未は自ら西側のテコとして、中国の反作用となっているに過ぎないのだ。

(…)艾未未と「艾未未たち」にチャンスが無いとはいえない。中国政府がもし大きな誤りを犯せば、中国社会が海外世論の扇動で判断力を失えば、未来は非常に語りにくくなる。

(…)艾未未に金を貸したという3万人の内、国内からの送金者はどれほどいたのか?などと揶揄するつもりはないが、その中の中国人は自身が何をしているか理解していて欲しい。そして、「心を揺さぶるスローガン」に追従しないで欲しいのだ。

艾未未ネタで何度も社説を書いている環球時報ですが、今回は特にカッコが多く、何を言いたいのかイマイチ分かりにくい文章じゃないでしょうか。私の能力が低いだけですかそうですか。


■「3万人」は少ないのか?

「西側にいいように使われている艾未未」と、「艾未未を支持する極少数」と書けば2行で終わるんですが、あまりの出来の悪さに「艾未未たち」である支持者から総スカンを食らっています。

 「ハア?毛沢東でも6000人しか集められなかったのに少数?」「阿Qだ」「艾未未たちが淘汰されるか、それとも胡錫(環球時報主編)たちが淘汰されるか見てみるとしよう」
とか、そういうやつです。

極少数とは言え、1週間で3万人近くが実名で行動し、艾未未が800万元(約9600万円)以上も集金出来たことに驚きを隠せないのか、「違法集金の疑いがある」と、つい2週間ほど前に指摘していたことなど忘れているようです。

もちろん海外からの振込みもあったものの、艾未未自身がその内95%が中国国内からの送金であると発表しています。党中央がそれを知っているのかどうかはわかりませんが、知っているとすれば「西側勢力」よりも「極少数」を気にしているんでしょうね。


■人気ワード上昇中「祖国に淘汰された」

見出しにもある「淘汰された」は、「祖国に淘汰された」として早くも官製の造語として人気上昇中。予定稿なので、「信じるか信じないかは自由だが、私は信じる」などの名言を即興で次々と生み出したあの臨場感には到底及びませんけど、「被」シリーズがまた増えましたね。

さて、艾未未は16日午前に北京市地税局で保証金の支払い証明を受け取り、「この半年は人質のようだった。今日釈放されたような気がする」とコメントしています。ようやくスタートラインです。

Ai Weiwei,
Ai Weiwei, "So sorry" / sanfamedia.com


*当記事はブログ「中国という隣人」の許可を得て転載したものです。


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