2011年11月18日、
新京報は記事「ニセ薬品の猛威」を掲載した。検索サイトのリスティング広告が悪用され、販路になっているという。
Pharmacy / ThisParticularGreg
■時価240億円相当のニセ薬品を欧州
17日、中国公安部はニセ薬品取り締まりキャンペーンの成果を発表した(新京報)。曰く、
・押収したニセ薬品は3億錠超!
・正規薬品換算で時価20億元(約240億円)超!
・全国29省・市、170都市で警官1万6000人超を動員!
・ニセ薬品事件1280件あまりを解決!
・1770人を逮捕!
・350もの犯罪グループを摘発!
とのこと。まあ、いつもながらの大勝利を収めている。この手のキャンペーンは「仕事してます!」アピールが中心なので、白髪三千丈的な数字に意味があるのかないのか悩ましいところではあるが、ともあれ膨大な量のニセ薬品が押収されたことは間違いない。
でもって、押収されていない、摘発されていないニセ薬品はこれをはるかに上回る量が流通しているのだと思うと、まあ気が重くなるわけで。私は中国の小さな薬局で風邪薬を買ったところ、飲んだ後数時間、意識を失ったことがあるのだが、あれは本物の薬だったのだろうか?
ニセ薬品といっても、当局の認可を受けていない違法薬品から、大手メーカーそっくりの薬までひっくるめての総称。なかには本物以上の薬効を出すために副作用も顧みずによく効く成分を入れているものももあるという。
■ニセ薬品は検索サイトで売れ?!
さて、問題はニセ薬品の販売ルート。正規の薬品だと偽って薬局に流すケースもあれば、薬局とグルになっているケースもある。そしてここ数年問題となっているのがネット通販だ。
そも、中国では「病院で処方箋だしてもらって薬局で薬買うのって高すぎる!自分で問屋から薬買った方が安いぜ!」という人々が相当数いる。ネット通販が流行ってきた今、ネットで薬を買うのにもそんなに抵抗感がない人も多いようだ。
というわけで、検索サイトで調べてみると、ぶわわわわと怪しげなサイトがヒットする。その中にはニセ薬品を扱っているショップも少なくない。問題は検索サイトのリスティング広告だ。
リスティング広告(検索連動広告)とは、検索キーワードに応じた広告を配信するシステム。グーグルにも採用されているが、中国検索大手・百度のそれは一味違った。グーグルは広告と検索結果がはっかり分かれているシステムだが、百度のリスティング広告は普通の検索結果の中に、金でその順位を買ったサイトが紛れ込んでいて判別できないという代物だったのだ。
さすがにひどすぎるという批判が高まり、百度は2009年に悪辣リスティング広告を廃した新広告システム「鳳凰網を導入したが、実際にはまだ「金で表示順位が買える」状態がまかりとおっているとも噂されている。
新京報がしらーっと出したリスティング広告批判の記事。これは再び百度バッシングを告げる予兆なのか、気になるところ。人民網などの官制メディアもこの記事を転載しているあたりがどうもきな臭いのだが……。