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【写真】「給料上げてくれないなら実力行使だ!」南京にゴミ・ストリートが出現―中国

2011年11月18日

2011年11月16日、江蘇省南京市に「ゴミ・ストリート」が出現した。17日、南方日報が伝えた。


■ゴミ・ストリートの誕生

20111118_写真_ストライキ_清掃作業員1

ゴミ・ストリートが登場したのは南京市鼓楼区一帯。汚すぎて逆に壮観とも言うべき絵面に驚いたネット民がマイクロブログなどで次々と写真を公開している。

なぜこんなことが起きたかというと、鼓楼区の清掃作業員がストライキをしたため。たんに仕事をしないだけじゃなくて、回収用の大きなゴミ箱をなぎ倒し、ゴミをあたりに散らかして回るという抗議運動も展開していたという。

先日も南寧市清掃作業員のストライキが報じられていたが、物価高の影響もあり、エンゲル係数が高い低賃金労働者のストライキ、賃上げ運動が広がっているもようだ。
(関連記事:清掃作業員のストから考える=デモ、スト、暴動が年18万件起きる中国社会

20111118_写真_ストライキ_清掃作業員2
*画像は財新網の報道。他写真多数。

■ストライキの原動力

こういうニュースを見ると、いつも気になるのがストライキの原動力が何かということ。「物価が高くなりすぎて生活できない!決死の覚悟でストライキだ!」という人もいるのかもしれないが、どっちかというと「他の街でもストライキやって給料あげてもらったらしいぜ。うちもやってみない?」という連鎖反応のほうが大きいのではないかと思ったりもする。

先日、上海市在住の中国人大学生・Alexさんに就活事情に関する記事を寄稿していただいた。
(関連記事:正直悩んでます!ある中国人大学生の就活事情―上海市(Alex)

現在の中国政治、経済に批判的で、いつバブルがはじけてもおかしくないぐらいの勢いで書いているAlexさんだが、自分が外資系企業に就職したら「就職後、毎年10~20%の昇給が続くと考えると……」とさらっと書いている。給料は年々上がるもの、という発想はエリート大学生から清掃作業員にまで通じる「常識」となっているわけだ。

で、もし願い通りに給与が上がらなければ、ストライキなどの手段がある、と。しかも成功例はたくさんあり、その詳しい情報はネットで公開されているわけで。

今回ご紹介したのはたんなる清掃作業員の小さなストライキの話だが、中国社会に共有されている「給与は年々上がり続けるという常識」「ストライキをやるためのテクニック集」を考えると、中国経済が減速するとどのような現象が起きるのか、ちょっと恐ろしくなったりもする。


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