中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年11月19日
*中国青年報の報道。
今回のエントリーは、「定員オーバーの幼稚園バス、事故で20人死亡=車の改造、逆走も発覚(凜)」の続報です。園児20人が死亡するという大事故は大きな注目を集めています。改善策などさまざまな提案がメディアをにぎわしていますので、一部をご紹介します。
■全国人民代表大会代表の提唱
『中国新聞網』の「全国人大代表:校车在行驶过程中应享有一定特权」(全国人民代表大会代表:スクールバスは運行中の特権を有すべき)によると全国人民代表大会代表、華中師範大学の周洪宇教授は「全国のスクールバスの安全工程」なるものを策定。やるべきことは多いと呼びかけています。
具体的にはスクールバス運営に政府が補助金を出したり、税的優遇措置を与えるといった内容です。また、警察や教育当局の協力の下、バスの補修に補助金を支出し、同時に検査も実施すること。子どもたちが乗り降りしている最中には、他の通行車両は安全を守るため一定間隔を保持するよう義務づけること。消防車と同様、スクールバスにもわかりやすい、特定の外見を定め優先通行権を与えることなどの提案が盛り込まれています。
■スクールバスの実態
今回の事件、9人乗りの車(座席は取り払われていたようですが)に64人が載るという超超超・定員オーバーが話題となったわけですが、実はスクールバスの定員オーバーはごくごく当たり前の現象。特に田舎ではしゃれにならないものもたくさんあるようです。
*中国新聞網の報道。
雲南省で撮影された写真ですが、子供の上に子供を乗せる、すごい絵です。
■問題解決まであと何マイル?
『中国新聞網』には、上述の周教授以外の意見が紹介されています。国際学校のスクールバスは目立つ黄色を採用し、子どもを送り届ける時は道路を横断しなくても済むように、わざわざ車をUターンさせるとの事例も紹介されていました。
なるほど、解決すべき点は多いのですが、そのためにはお金と人的リソースが必要です。すぐに改善することは難しそうで、その間、多くの子どもたちが危険にさらされることになります。
*Yahoo!中国の報道。
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*当記事はブログ「政治学に関係するものらしきもの」の許可を得て転載したものです。