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ニセ領収書作りの達人になった農民=120億円相当を押収―中国

2011年11月20日

2011年11月、河南省新密市裁判所は、偽造領収書製造の罪で、農民2人に懲役7~8カ月の刑を言い渡した。押収されたニセ領収書は額面で10億元(約120億円)という膨大な金額だったという。


My receipt from the Brazilian Embassy
My receipt from the Brazilian Embassy / lawtonjm


2011年11月18日、正義網が伝えた。


■ニセ領収書作りの達人となった農民

河南省平頂山市郏県の農民・何涛。レストランやナイトクラブなど娯楽施設が山のように領収書を発行しているのを見て、「こりゃ偽造すれば儲かるわい」とのインスピレーションを得てしまった。2007年からニセ領収書製造を始めたという。

販売を担当していたのは鄭州市新密市在住の無職・李瑞。何涛から仕入れたニセ領収書を経営者向けに売りさばいた。李は計202点を販売、3000元(約3万6000円)あまりの利益を得ていた。2010年9月に逮捕されたが、ニセ領収書3万3600点、ニセ公印21点が押収されている。3万6000点も在庫を持ちながら、2007年からの累計販売数が202点というのはどうも腑に落ちないところ。警察が把握できたのが202点の取引だけだったというところか。

李の供述を受け、2011年11月には何涛も逮捕された。ニセ領収書1万点、ニセ公印91点、そしてパソコン、印刷機、彫刻機器などなど偽造設備一式が押収された。何涛は「老八」という偽名で知られるニセ領収書製造の有名人だったという。今回、起訴されてはいないが、李以外にも何涛から仕入れていた売人は数多くいたはずだ。

被告2人から押収されたニセ領収書は4万点あまり。額面の総額はなんと10億元(約120億円)を超えていたという。数えた警察官はお疲れさまというしかないが、農村のおっさん1人がこれほどの量のニセ領収書を作れるとは驚きの一言。中国全土にニセ領収書が蔓延しているのもむべなるかな、だ。


■日本税務署は中国のニセ領収書を見破れるのか?

中国に滞在したことがある人ならば、ニセ領収書売りにあった経験は1度ならずあるのではないか。駅など人が集まるところで、「領収書いるか、領収書いるか」と声をかけてくる売人のことだ。以前、ニセ領収書を見せてもらったことがあるが、 素人目には判別がつかない精巧なものも多い。

というよりもむしろ中国のお店が発行する領収書自体がダメダメなケースも少なくないのだ。中国のビジネスホテルで発行してもらった領収書が1年も経たないうちに印字がかすれてしまい、申告時期にはもう読めなくなっているという経験もあった。私以外にも困っている人は少なくないのではないだろうか?

そして気になるのが日本の税務署職員の皆様は、どのようにして中国のニセ領収書を見破るのかという点。出来の悪い正規版領収書を見て、ニセ領収書認定を下してしまうのではないか、などと不安になるのだが……。


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