中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年11月20日
■酔っぱらい委員のケンカ
河南省鄭州市登封市潁陽鎮安寨村が事件の舞台となった。16日午後、41歳の農民・程朝欣さんが歩いていたところ、村民委員会委員の張一(仮名)と出くわした。張はひどく酔っぱらっているようだった。片手で程さんをつかむと、もう片手で自分のズボンを下ろしながら言った。
「おい、口を開けろ。その中に小便してやるから。」
「飲み過ぎだよ。家に帰って寝なさい」と程さんがとりなすと、張は逆ギレ。「おまえをぶっつぶすのなんか、アリを潰すのと一緒なんだよ」と叫び、程さんの髪の毛をひっつかんで、近くにあった三輪オートバイに叩きつけだしたという。さすがに程さんも怒り、2人はケンカに突入。話を聞いてやってきた張一の母親が土下座して「頼むから家に帰って」と頼み込み、また周りの野次馬たちの取りなしもあって、張はしぶしぶ引き上げていった。
■深夜の流血事件
どうにかケンカは収まったが、本当の恐怖はその後にやってきた。16日深夜、張一とその弟・張二(仮名)、2人の両親、そして張一家のご近所である村民委員会の郭副主任が、程さんの家に殴り込んできた。「よくもアニキを殴りやがったな」と張二が言うが早いか、乗り込んできた一群で程さんをぼこぼこに。特に張二は悪辣で、持ってきた鍬で程さんの頭をしたたかに殴り飛ばしたという。程さんは出血を伴うひどい傷を負ったが、医者は脳挫傷の可能性もあると診断している。
「彼らは私のことを人間だと思っていないのです」と程さんは嘆いた。子どものころに小児麻痺にかかった程さん、今も後遺症があり、激しい肉体労働はできない。家の中でできる雑事をこなしてお金を稼いでいる。
そうした事情もあって、張一は日頃から程さんをからかっていたという。張一は酒乱の気があり、昨年の旧正月前には程さんの兄にも暴行を振るっていた。両手で首を絞め、もう少しで命を落としそうになったという。この一件も警察に通報したが、1年近くたった今も何も音沙汰がないという。
■殴った人々のふてぶてしい主張
鄭州晩報はもう一方の当事者にも取材している。電話取材を受けた郭副主任は一緒になって暴行したとの話を否定し、一部始終を見ていただけ。自分は止めようとしたと主張している。
張一は酒で記憶がないとの主張。昼間のケンカで自分が地面に倒れているのを見た弟が「アニキがやられた」と思ったために殴り込みにいたったと説明した。夜中に殴り込んだのは良くなかったと認めつつも、すべては飲み過ぎが原因だと話している。
■中国の村役人はスゴい
中国の村役人はスゴい。
・村の共有地を勝手に企業に売り飛ばしていた。
・畑も勝手に売っていた。
・やばい排水や排ガスを出す凶悪な化学工場を誘致していた。