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中国人オタク「ベン・トーには日本の創作能力の恐ろしさを感じた」(百元)

2011年11月22日

■中国オタク「ベン・トーという作品には日本の創作能力の恐ろしさを感じた」■

*当記事はブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の許可を得て転載したものです。


2011年10月開始の新作アニメは注目作が当初の期待を裏切らないことが多く、中国オタクの面々もかなり楽しんでいるようですが、中には「予想外に面白い」というダークホース的なことになっているアニメもあるようです。

そんな中国オタク的ダークホースだったアニメの一つが「ベン・トー」だそうです。

20111122_アニメ_ベン・トー

この作品を理解するには「日本の一般生活関連の常識」がある程度必要ということで、中国オタク的には少々ハードルの高い作品となっているようですが、一旦 それを乗り越えれば「たかが半額の弁当」のために熱い戦いを繰り広げるという内容について、イロイロと楽しめるようになるのだとか。

また、「弁当」の中国語訳の一つである「便当」が中国オタク用語では「作品においてキャラが死亡退場すること」を意味するので、タイトルや作品のテーマである半額弁当自体が中国オタク用語的にネタになっており、そういったことから中国オタクのネタアニメ好きな層からも注目されているそうです。
(ちなみに、「便当」のこの使われ方は香港の映画で自分の演技が終わった役者は弁当をもらって退場するという所から来ているのだとか)

今回はその「ベン・トー」という作品に関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。

「ベン・トー」という作品には日本の創造能力の恐ろしさを感じた……!最初は普通に熱血格闘モノだと思っていたら、それが実は「半額の弁当」を奪い合うという、ただそれだけのことだった。しかもそれに、氷結の魔女だとか魔術師だとか、中二な名前がついているなんて。あの国はなんでこういう作品が出て来るんだろう……。


マジになったら負けという言葉があるけど、バカなことをマジにやるとこういうトンデモナイ作品が出て来るのか……!


日本のコンビニって恐ろしい所だよね。半額になったり、それを狙う戦いが起こったり。ネタの誇張が混じっているんだろうけど、日本人の生活している場所がどんどん分からなくなってくる……。この間日本に留学したアイツは無事に過ごしているのだろうか。


Lunch @ 07.01.05 / jetalone


「ベン・トー」の舞台はコンビニじゃなくてスーパーマーケットだな。日本はコンビニだけでなく、スーパーでも弁当を売っている。あと日本では鮮度管理が非常に重視されているから、弁当などの調理した商品はその日しか売ることができない。だから、閉店時間が近づくとどんどん店が値段を下げていくんだよ。でも、さすがにああいった騒動はネタだと思うけどね。たぶん。


でも、私以前日本のイトーヨーカドーで半額セールが始まった時におばちゃんの一群がスゴイ勢いで移動していくのを見たぞ。もしや、あれが「大猪」だったんだろうか?


この作品、バトル描写かなり良いよね。こういった普通の格闘戦をきっちり描写しているアニメって案外少ないと思う。それにOPやEDもかなりカッコイイ。しかし、やるのは半額弁当のための戦いなんだよなぁ……いや、面白いんだけどさ。



バトル描写も結構良いが、毎回弁当関係の描写のクオリティが妙に高くないか?スタッフロールみたら「弁当作画監督」とかあるし、なんかこう、モノスゴイおかしな方向に力を入れているように感じる。


設定の勝利だよなぁ。こういう題材を選んで、きちんと面白い作品にしているのは本当にスゴイと思う。


こんな方向性の作品があったとは。スバラシイ!


キャラデザとかわりと地味だけどクオリティ自体は高いね。ところでちょっと気になったったんだが、佐藤と著莪ってイトコだろ?なんであそこだけ方向性の違った危険っぽい関係入れてきてるの?今後の展開に影響する要素だったりするの?


佐藤と著莪の親戚関係についてはそこまで重要なものではないよ。てかそもそも中国と日本は親等の数え方がちょっと違うんでイトコ同士でも問題ない。だから佐藤と著莪の場合も法律上は結婚できる。倫理的にどうなのかまではわからんが。


なるほど。俺はイトコの著莪との関係は佐藤のヘンタイっぷりを強調する要素かと思ってたわ。あと佐藤が最初からかなり戦えたってのは、何か秘めた才能や背景を持ってたりするの?父親が実は昔狼だったとか。


佐藤の父親はヘンタイでセガ狂いだけど、声が若本規夫ということ以外特に不審な点は無いよ。あと佐藤自身はヘンタイだけど学業や運動などの基本的な能力はかなり高い。ヘンタイだけど。


題材がスバラシイだけに、ちょっと表現の不足を感じたりするのが残念。監督の問題があるようにも思えるが、この作品、どっちかというと背景に文字説明を入れられる漫画向きなんじゃないか?あえてアニメでやる必要あったの?


いや、この作品って実は漫画には向いていないと思う。「半額弁当を奪い合う」というたったそれだけのことを、原作小説では弁当の内容、人間関係、戦闘における心理描写まで加えて表現している。漫画だとよほどうまい漫画家でないと無理だろ。それならいっそ、表現できる内容は減るけど動く戦闘シーンとBGMを活用できるアニメの方が良いと思う。


てかベン・トーって題材の方向性も面白いけど、周辺のネタも面白いんだよね。小説の方がセガネタ関係や、佐藤の周辺のダメ人間に関する回想描写に向いてい る。ありゃアニメや漫画のような尺が限定された媒体での再現は無理じゃないかね。筋肉刑事とかのネタも、小説だからこそあそこまでヒドイものを書けたんだ ろうし。

20111122_ベン・トー_小説

筋肉刑事はディスクの映像特典で収録になったそうだぞ。白粉花のナレーションという形で。


なにぃ!?あれをやるのか!?アニメではやっぱ無理だったのかと思っていたんだが……ファンへの効果、そして内容も恐ろしいモノになりそうだ……!


それにしても、原作のタイトルにある弁当の値段とか見るとやはり日本の物価って高いと感じるね。半額でもこっちの普通の昼飯くらいの値段にはなりそう。


俺は上海に住んでいるんだが、こっちのコンビニ弁当は15元(約180円)超えたりするし、昼飯なんかは簡単に20元(約240円)くらい使っちゃうし、食費がバカにならない。アニメに出て来るうまそうな弁当であの半額値段なら十分アリだと思ってしまうよ。


こんな意味の無いバカなことに熱中するなんて面白い。しかし、よく考えてみるとサッカーとかも「球蹴って枠にボール入れる」というだけのことだったりするし、意味があるかと言われると言葉に困る。なんか「ベン・トー」みてると、自分が何を楽しんでいるのか再考したりしてしまうので、ちょっと不思議な気分になったりもする。

とまぁ、こんな感じで。全般的に楽しんでいたりするものの、中国オタク的にちょっと不思議に思えるような部分も少なくないようですね。



ちなみに、作中に散りばめられた色んな小ネタについても食いつきがあるようですが、中でもセガネタに関しては中国オタク内のセガファンから結構な食いつきが出ていたりするようです。私の知り合いのセガファンな中国オタクからは、放映開始後にセガネタの出て来る良い作品が出現したことを喜ぶ声が飛んできたりもしました。

とりあえず、こんな所で。例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

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*当記事はブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の許可を得て転載したものです。



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