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今年もあります!ドタバタすぎる公務員試験の不正合格―中国

2011年11月22日

合格すれば一生安泰の公務員ライフ。どうにかして自分の子どもを送り込もうと不正手段の限りを尽くす親御さんが後を絶たない。そうした中、新手の「ライバル蹴落とし」手法が伝えられている。


2011年11月9日付中国青年報21日付中国青年報を参照した。


■ヘモグロビンが足りなくて公務員に慣れない?!

山西省長治市長子県鮑店鎮の宋江明さん。今年の長治市公務員試験を受験。市環境局職員選考で見事、トップの成績を取得した。もう27歳とのことだが、大学卒業後はずっと試験勉強に励んでいたのだろうか。親は学校の非正規教員とのことで、決して裕福な生まれではない。ご本人にとってはもちろんのこと、ご両親も一安心できる公務員ライフが始まるはずだった。

ところが急転直下、宋さんを悪夢が襲う。なんと健康診断で「血液のヘモグロビン濃度が基準値以下」と診断され、不合格となってしまったのだ。環境局職員のポストは試験2位の賈美玉さん(父親は長治市某農村の幹部、おじは長治市某中学校の校長)と決まった。

納得できない宋さん。自分で病院に行って血液検査をしてみたところ、ヘモグロビン濃度に異常はなかった。念には念を入れ、3回も測定してもらったが、いずれも問題はなかったという。


■試験の不正は許しません!鉄板の激怒ネタ

この検査結果を市政府に持っていったが、あえなく門前払い。不合格という決定はくつがえらなかった。

希望が断たれたかに見えた宋さんだったが、状況を変えてくれたのはマスメディアの報道だった。9日付中国青年報が「宋江明求職血液検査記」と題して事態を報道すると、大きな反響を呼んだ。中国では「試験不正疑惑」は人々の注目を集める鉄板ネタだ。カンニングやら、試験成績改ざんやら、毎年のように注目を集める事件が起きている。

科挙以来の伝統とでも言うべきか。中国国民全員に与えられている「人生一発大逆転の機会=試験」の不正に対しては、注目し義憤を感じる人が多い。結局、宋さんがいくら陳情してもとりあってもらえなかったのに、報道されてからわずか10日で、健康診断の不正が認定され、宋さんは採用されることが決まった。また、公務員試験担当職員及び健康診断を担当した医師らにも、免職などの処分が科されている。


■景気が良くても公務員人気が続く理由

2011年、国家公務員試験の受験者数は141万人。2001年の受験者数は3万人あまりだったので、この11年間で40倍以上にふくれあがった計算だ。一方で採用枠は1万6000人あまり。採用者はおよそ90人に1人だけ。大変な難関となっている(RFA)。

不況で公務員に人気が集まる日本の状況はよく理解出来るのだが、景気がいい時期ならば民間企業のほうが待遇がいいのではないか、と日本的常識では思ってしまうところ。

だが、民間企業なんていつ首を切られるか分からないし、福利厚生が最強で、お手盛りでいろんな手当がついたり、灰色収入という名のわいろをゲットするチャンスも多い公務員のほうがお徳だと中国一般庶民は判断しているようだ。
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