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2011年11月25日
以下、2011年11月23日に入手した情報として、24日付けでダラムサラ・キルティ僧院がリリースしたもの。
■キルティ僧院僧侶ギャンツォ(42)
2011年11月21日、キルティ僧院僧侶ギャンツォ(42)が僧房から警官により連れ去られた。拘束の理由や行方は不明。
彼はンガバ県トツィック郷メシップ村ラクツァ家の出身。幼少よりキルティ僧院僧侶となり、現在最終学級1年生。以前当局により強制的に閉鎖された僧院直営学校の先生でもあった。雑誌や新聞等に記事を
度々発表していた。各種のチベット字体と絵画に秀でていたという。
■元戒律師ロプサン・ゲンドゥン(48)
2011年10月末にはキルティ僧院カーラチャクラ学堂の元戒律師ロプサン・ゲンドゥン(48)が拘束され、今も行方不明。彼はンガバ県トツィック郷カニャック村セゴ家出身。幼少時よりキルティ僧院の僧侶となり、現在最終学級4年生。
■大量配備された軍、武装警官
ンガバの町や周辺には以前にも増し軍隊や武装警官が大勢配備され、至る所でチベット人の身体保安検査を行っている。数日前から自家用車は町の大通りを通行することが禁止され、細い裏道を走るしかないという状況となっている。
■イルミネーションを灯明に
20日は地域の暦に従いガンデン・ンガムチュ(灯明祭、ゲルク派の創師ジェ・ツォンカパの命日)ということで僧院では特別の哲学討論会が開かれた。夜、恒例に従えば僧院に大きな飾りのイルミネーションが灯されるが、今年はチベットの自由のために焼身を行い亡
くなった人たちを弔うために、僧院に僧侶や一般チベット人が集まり暗い中、灯明だけが灯された。
この際にも当局は境内に私服警官を大勢配置し監視を強め
た。僧門付近には大勢の軍隊と武装警官隊が集まり、特殊装甲車が10台以上も張り付いていたという。僧院内には引き続き毎日200人程の監視人が常住し、僧侶の行動を24時間監視している。
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20日の記事「デブン僧院長に無期/ラサ周辺の僧院弾圧強化/僧侶作家1年近く拘束(チベットNOW@ルンタ)」でお知らせした、ラギャ僧院の件の続報:
僧院に警官、役人が現れ、集会を強要。その場で「チベット国旗とダライの写真を掲げた者は3日以内に自首せよ。さもなくば、僧院全体が危険な状態になるであろう」と警告したという。