中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年11月27日
一時帰国の3月に家族全員で歯科検診を受けてから半年以上も経ったので、この前子供たちを歯医者へ連れて行きました。以前はパパがかかっている大人用の歯医者に行ってましたけれども、今回は試しに子供専用のクリニックにしてみました。
Динозубрикという、子供が好きな「恐竜 (динозавр)」と「歯 (зуб)」をかけたかわいい名前のクリニックです。国の保険がきかない私立病院の中ではニジニ・ノヴゴロドで一番有名なところだと思います。
病院の玄関でベルを鳴らすと、警備員兼雑用係のお兄さんが出てきて、防犯防止にベビーカーを固定してくれます。
まず、大人用の歯医者です。
さらに進むと、子供用のスペースに入ります。待合室ではPCゲームに女の子用のキッチンセットに男の子用の工具箱……。
水槽もいくつかあって、その中に亀にイグアナ・・・。
うちの子供たちは目移りしてしまいまいましたけれども、最終的にはパソコンにへばりついてしまいました。診察後帰らせるのは一苦労でした。
■イグアナの飼育費用がなければ……
病院スタッフの服装も華やか。全員白のズボンですが、先生たちのTシャツは派手なオレンジ、看護士たちはまたまた派手な緑色です。言うまでもなくみんな明るくてとても親切。治療の後子供一人一人はちょっとしたおもちゃのプレゼントをもらいます。
歯を診てもらってフッ素を塗布してもらって全額自己負担で1100RUR(約2800円)でした。イグアナの飼育費用などがかかっていなければもう少し安く済んだとは思いますけれども、そういう病院を見ておくのもいい経験だと思いました。
■ロシアにはない、日本の「歯磨き啓蒙活動」
日露両国で子育てをしてみて思うのは、日本とは違って「歯を大切に」という運動はロシアではあまりないようです。例えば、日本では赤ちゃんの定期健診でも一定の月齢から歯科検診が入っていました。私たちが住んでいた町だと、6月の「虫歯ゼロ」の日には保健所で無料フッ素塗布をしてもらえました。
ゆうきは保育園に毎日歯ブラシを持っていってたので、どうも食後みんなで歯磨きをしていたようです。また、同じく保育園で「親子歯磨き教室」を受講したこともあります。家にいるときと同じように子供が歯磨きをし親が仕上げ磨きをした後、本当に磨けているかどうかのチェックをしてもらいました。磨けてない部分が見事に見えてきたので、とても参考になりました。
しかし、ロシアはそういう「啓蒙活動」は少なく、どちらかと言えばすべて親次第です。なので、こまめに子供を歯医者へ連れて行く親もいれば「どうせ乳歯だし」とか「虫歯になりやすいのは遺伝のせい」と最初からあきらめている親も少なくありません。後、ゆうきの仕上げ磨きの話をすると、「6歳になってもまだ親が磨くの?」と決まって驚かれるので、どうもロシア人の皆さんは早いうちから歯磨きを完全に子供任せにしてしまうようです。
■「私たちはそこまで生きてないと思うな」
「日本では『80歳になっても自分の歯を20本以上保とう』と呼びかけているよ」、と私が話すと、事務所スタッフは苦笑い。「私たちはそこまで生きてないと思うな」と言うのです。ロシア人の平均寿命を考えると納得してしまいそうですけど、長生きしなくても虫歯がないに越したことはない。特に子供たちの歯は大事にしてあげてほしいと思います。
関連記事:
ロシア人「日本の病院は遅れてるね!」=日露で異なる予防ワクチン(タチアナ)(2011年11月22日)
産後のお見舞いは窓越しで!病院の過剰な感染予防対策―ロシア(タチアナ)(2011年10月21日)
何をするにもまず健康診断!不正書類が横行し効果は希薄に―ロシア駐在日記(2011年9月18日)
関連記事:
【おそロシア】プーチンが歯科医に挑戦 怖すぎワロタwwwwwwww(キニ速、2011年11月17日)
ロシアの平均寿命の推移(社会実情データ図録)
*当記事はブログ「ロシア駐在日記」の許可を得て転載したものです。