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レアアース盗掘現場で土砂崩れ、2人死亡5人不明=裏目に出た中国の「戦略」

2011年11月28日

2011年11月26日午後3時半、広西チワン族自治区梧州市蒼梧県で土砂崩れが発生、2人が死亡、5人が行方不明となった。レアアースの盗掘が原因となった。


20111127_広西チワン族自治区_土舎崩れ_レアアース
新華網の報道。

■事故現場と救出作業

現場では幅100メートル、長さ300メートルに渡って斜面が崩れている。崩落した土砂の量は5万立方メートルに達する。レアアース盗掘に従事していた7人が行方不明となっていたが、27日時点で2人が遺体として発見された。なお10台以上のショベルカーと救援作業員600人以上が動員され、残る不明者を探している。

また盗掘に関与していた関係者3人が警察に拘束され、取り調べを受けている。


■中国政府の「戦略」が裏目に出たレアアース盗掘

昨年の尖閣諸島沖中国漁船衝突事故で、一躍注目を集めたレアアース。中国が世界生産シェアのほぼすべてを独占しているが、ここ数年、輸出割当量を削減する動きを見せている。価格上昇と同時に、レアアースを必要とする海外企業に中国国内での生産を促す狙いだと見られている。

ところが、価格上昇により思わぬ副産物も生まれてしまった。レアアース盗掘が「割のいい商売」となったことで、中国南部を中心に盗掘者が増加しているのだ。内モンゴル自治区など北部では管理のしやすい大型鉱床が多いが、南部では各所に点在しており管理はきわめて困難だという。

江西省のレアアース精錬企業は年4万トンを生産しているが、うち正規鉱山から採掘されたレアアース鉱石は8000トンのみ。大半が盗掘されたものと見られる。
(関連リンク:「中国南部ではレアアースの違法採掘が再開―SP華字紙」レコードチャイナ、2010年9月30日)

中国政府はレアアース精錬企業の合併統合を通じて、精錬企業がレアアース鉱石を買わないようコントロール可能なシステムの構築を進めているが、現時点ではまだまだ違法採掘は横行。それに伴う環境破壊も野放しとなっている。


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