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信用ゼロの農村診療所=注射針使い回しでC型肝炎の集団感染―中国

2011年11月29日

2011年11月28日、新華社は、安徽省でC型肝炎の集団感染が確認された。診療所が注射針を使い回したために起きた医療事故だという。


2 month checkup
2 month checkup / 蘋果日記

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2011年11月28日付財新網を主に参照した。


■村の診療所

集団感染が確認されたのは、安徽省亳州市渦陽県丹城鎮。調査の結果、C型肝炎ウイルス(HCV)抗体検査の結果、56人が陽性と診断された。うち16人が感染既往者なのか、キャリアなのかの判断が可能な核酸増幅検査(NAT)を受け、13人がC型肝炎感染と診断されている。

安徽省衛生庁によると、集団感染は河南省のある診療所が注射針を使い回していたことが原因になったという。丹城鎮は河南省と安徽省の省境に位置している。財新網によると、問題の診療所は河南省永城市馬橋鎮の苗浅衛生院だという。安徽省現地メディアは、「同院は長年経営しており、付近の村の子どもたちは病気になると注射を打ってもらいに行っていた。注射針を変えないこともしばしばだった」との現地住民のコメントを報じている。

新華社が報じたのは丹城鎮の状況だけだが、市場星報及びネットの書き込みによると、安徽省や河南省の複数の村で、子どもたちのC型肝炎感染が伝えられているという。

农村冬日
农村冬日 / llee_wu

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■信じられない診療所

中国では「看病難、看病貴」(病院は大混雑だし、診療費もバカ高)が社会問題となっているが、その一因となっているのが診療所など基層医療機関の信頼性の低さだ。注射針の使い回しは論外だが、医療技術が低く安心できないと見られ、「自力で治すか、安心できる病院に行くか」と考える人が多い結果、一部病院に患者が集中してしまう。

もう10年以上前の話だが、私の友人も風邪にかかって大学の学生向け病院で注射を打ってもらったところ、即座に昏倒。一晩入院するという笑えない話があった。状況はだいぶ改善したと思うが、田舎ではまだまだ低レベルの診療所が多く残っている。

また今回の報道で印象的だったのが、感染者の多くが子どもという点だ。予防接種で注射針を使い回したのかとも疑ったが、そうした報道はない。とすると、村の診療所にいくのは子ども中心ということだろうか。河南省、安徽省の境界部という貧しい地域では、大事な子どもは診療所に行かせるが、大人は大怪我でもないかぎり、気合いで治すということかもしれない。


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