江蘇省大倉市の日系電子機器工場のストライキが報じられている。原因は日本人管理職の「侮辱」発言だ。2011年12月2日、香港紙・東方日報が伝えた。
日系工場でストライキ=日本人管理職の差別的な罵倒に抗議―江蘇省大倉市
香港紙・東方日報によると、ある日本人管理職が日常的に従業員を叱責し、最近では差別的な罵倒を繰り返していたことが原因だという。ストライキ関係者がマイクロブログで公開したと見られる写真には、「やる気がないならやめろ」と書かれたホワイトボードが映し出されている。
11月28日、29日の2日間、従業員数百人がストライキに参加。問題の日本人管理職が辞職、あるいは解雇されないかぎり、仕事には復帰しないと主張している。
東方日報以上のネタが伝えられていないため、この後、どうなったのか、さっぱりわからない。いや、それどころか「差別的な罵倒」とは何だったのかすらよくわからない。
ブログ「
中国茉理花革命」(中国ジャスミン革命)がストライキ関連の写真を掲載している。このサイトは中国ジャスミン革命が注目度ゼロになった今も、マイクロブログやネット掲示板で騒ぎになった事件をまとめてくれている大変便利なサイトなのだが、残念ながら出所が明らかにされていない。おそらくネット掲示板から拾ってきたものだとは思うが。
これが問題の「やる気がなければやめろ」と書かれたホワイトボード。果たしてこの言葉がストライキの引き金になったのかどうかまでは分からないが、意味深に写真を撮られているあたりからすると要因の一つなのだろう。
「この程度侮辱のうちに入らないよ」と思う方もいるかもしれない。ブログ「中国ジャスミン革命」のコメント欄にも、「これじゃ「愛国無罪、造反有理」じゃね?中国人は脆弱すぎ!」「いや、これだけでストライキするはずないだろ。中国人労働者は我慢強いんだから。曲解すんなよ」などと議論が交わされている。
個人的にはこれが侮辱や脅しととられる可能性は十分にあると思う。先日、ご紹介した深圳市女性用下着工場のストライキもきっかけはささいな口ゲンカだった。感情の沸点が低いというよりは、なんらかのきっかけをストライキ、経営者側への反発につなげようという「作法」が中国人労働者に共有されていることが原因のように思われる。
(関連記事:「飛び降りて死ね」管理職の暴言でストライキ=世界最大のブラジャー工場―中国)
なにせ「群衆事件」(ストライキ、デモ、暴動などを総称する中国特有の言葉)が年に18万件起きるお国柄なのだ。なにがきっかけで騒動につながるかわからないし、普段はおとなしく見える工場労働者たちはどう騒動を起こせばいいかも熟知しているのだから。