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2011年12月09日
周末番禺大岗农家乐 / llee_wu
■実現性ゼロの宴会届け出制
国家食品薬品監督管理局は、「農村の飲食消費食品安全の監督管理業務をさらに強化するための指導意見」の制定作業を進めており、先日、パブリックコメント稿が公開された。
その中の規定の一つに宴会届け出制がある。50人以上が集まって宴会を開く場合には、「宴会開催理由、主催者、メニュー、会場、参加人数」などを各農村の飲食消費食品安全情報員に届け出して、食品安全承諾書にサインして提出しなければならないという。各村の宴会申請は上級機関へと送られ、記録される。
集団食中毒対策、というよりは事件が起きた後に速やかに状況を把握するための法規なのだろう。だが、冠婚葬祭で何かと人が集まる機会が多い農村のこと、そのたびにわざわざ書類を出しに行く農民などいるだろうか?現実離れした法律を作っても、運用できなければ意味はゼロなのだが……。
頭でっかちの官僚が作ったのか、あるいは「ちゃんと法規を作りました、仕事しています」というアピールのためなのだろうか。
■他にも規則がいっぱい
ちなみに「農村の飲食消費食品安全の監督管理業務をさらに強化するための指導意見」には、他にも
農村の小中学校・幼稚園の食堂は校長を食品安全の第一責任者として、食品安全承諾書にサインさせる。
学校食堂での冷菜を作ることを禁止する。
学校食堂での亜硝酸塩の購入、貯蔵、使用を禁止する。
学校食堂での豆角(ササゲ)の加工を禁止する(食中毒を起こしやすいとのこと)。
農村レストランの食品管理徹底。外食店としての許可証取得を徹底せよ。
農村レストランでは食品以外の物を食べさせたり、病死した動物の肉を食べさせてはならない。
人民自治のための通報制度を設け、食品安全問題のタレコミは表彰する。