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2011年12月13日
Gecko / Gerald Yuvallos
チェンマイの洋書の古本屋の名前は、「Gecko」である。ゲッコーと言っても、月の光ではない。そう、メーリムのグリーンバレー・ゴルフ場に行くと、東屋の天井近くに卵をいつも数個抱えているあのトッケイ(Tokay)君のことである。
「Tokay Gecko」は、日本では、「オオヤモリ」と呼ばれるとかげの仲間だそうだ。名前の由来はその鳴き声。「とっけー、げっこー」と聞こえるからとか……。体は30センチと大きめだが、東南アジアに棲む愛らしいトッケイがここ数年需要が多く捕獲が進み、へたをすると絶滅の危機にあるという。トッケイは虫や昆虫を食べ、虫害を防いでくれる生き物であるが……。
Gecko / recoverling
■エイズの特効薬!?
トッケイは古くから中国では乾燥されたものが咳止めの漢方薬、糖尿病、喘息、皮膚病、がんの薬として売られているというが(トッケイ・ワインもある)、最近ではHIVの治療に効果があるという噂から捕獲がすすんでいる。トッケイの舌と内臓がHIVの特効薬だという話である。
これにはもちろん根拠がなく、たぶらかしの類の話である。フィリピン政府も7月にエイズやインポの特効薬として服用すると危険である旨を警告はしているようだが……。
■中国での高需要、保護団体の糾弾
保護団体「トラフィック東南アジア」によると、1998年から2002年までの5年間の間に、アメリカに8.5トンの乾燥ゲッコーが薬剤として合法的に輸入されたと言う。
最近ではマレーシアがトッケイのトレードの中心地になっている。主な仕向け地は中国だ。最近では、1000頭のゲッコーをカンボジアからマレーシアにもって行こうとした者が捕まったり、100万ドル(約7810万円)相当のオオトカゲをタイからマレーシアに密輸しようとしたカップルが摘発された。
トッケイ・ゲッコーは各国で保護されている例が少なく、このことが乱獲を止められないでいる。早急に、絶滅する前に保護条約を作る必要があると、保護団体は叫んでいる。
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*当記事は2011年11月19日付ブログ「チェンマイUpdate」の許可を得て転載したものです。