中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年12月13日
*ファミリーコンピュータソフト『ドラゴンクエストⅢ そして伝説へ・・・』。子供が学校を休んで並んでしまうだの、取り合いで兄弟が殺し合っただのと、最も社会現象化した作品だったように記憶している。(水島)
今でこそちょっと迷走している感もありますが、日本のRPGは中国でもよく知られており、一昔前は結構な数のファンがいましたし、RPGに関する思い出を持っている中国オタクは少なくありません。しかし日本のRPGの二大巨頭である「FF」と「ドラクエ」のうち、中国で人気が高いのは「FF」の方だけだったりします。
*もはやCGアニメのよう。ファイナルファンタジーXIII-2。
*変わらぬ王道。ドラゴンクエストⅨ。
先日、中国のソッチ系の掲示板でこの辺の事情についてのやり取りを見かけましたので、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。
ドラクエはなぜ中国で人気にならなかったのだろうか?最近元気が無いように見えるが、日本のRPGと言えばやはりFFとドラクエだと思う。しかし、中国ではドラクエは人気が無い。これは不思議な現象だと思う。
日本ではFFよりドラクエの方がブランドとして好調に見えるよね。
初期のドラクエは文字に漢字が無く、全部ひらがなカタカナだったから難しすぎたのでは。漢字から何となく意味を想像することすらできない。
俺は当時全く言葉分からなくてもクリアしたぞ。あの時代、俺と同じような感じクリアしたやつは結構いると思う。俺は個人的に4が一番好き、あと5は全部のバージョン遊んでる。
俺が最初に遊んだのはDQ2だった。その後FFやったんだが、DQ2よりかなり良いゲームに感じたよ。その後DQ3やったけど、そっちは結構良かったっけな。
*難易度が高いことで有名だったドラゴンクエストⅡ。
全部ひらがなってのがキツイんだと思う。日本ではひらがながハードルを下げることになるんだろうけど、中国ではハードルがモノスゴイ上がる。
日本語分からない俺からすると、漢字で単語の一つ二つが分かっても遊ぶ上ではそんなに助けにならんぞ。こっちでドラクエの人気が出ないのって、言葉の問題だけじゃないように思うが。
ひらがなが原因とは言わないけど、言葉の問題は大きいと思う。FFと違ってドラクエは言葉が分からないと良さが分からないらしいし。それにFFはインターナショナル版がキッチリ出ているから英語で遊べるけど、ドラクエはそういったことをやるのが遅いか規模が小さいから、こっちでは人気出難いだろう。
漢字あると結構大きいよ。そこをとっかかりにして記憶できるから。日本語できない俺からすると、少しでも漢字入ってると確かに難度は下がる。
それにしても、結局ピンインで中国語なゲームってのは開発されなかったな。私が知らないだけかもしれないけど。ウチの国で流行ったゲームは英語か日本語、あとはPCでの中国語版ってのがほとんどか。まぁ、コンピューターゲームの流行の初期の時代、ウチの国ではゲームどころじゃなかったってのは分かっているんだが……。
(訳注:「ピンイン」は中国語発音のアルファベット表記です)
そもそも、ウチの国ではTVゲームで遊ぶのが少ないからな。そしてその中で日本語のRPGを遊ぶのは更に少数。そりゃドラクエは流行らないよ。
Proxima farsa: Londres / Daquella manera
でも昔はTVゲームは普通に流行ってたぞ。PCゲームほどではなかったのも確かだが。ネトゲが出る前って、海賊版のゲームが中国市場を占領していたから、その流れでPCゲームだけでなくTVゲームで遊ぶのもいた。FFとか今でも普通に知名度高いし。
そもそもRPG自体、こっちで遊ぶ人間が増えたのってPSくらいの時期からじゃないか?香港や台湾ならともかく、大陸の方でゲームがまともに流行ったのって90年代に入ってから、しかもFCだったし、ソフトもFCのROMカセットからすぐにPSやSSのCDでの普及になった。そりゃドラクエ流行らないよ。FFだって日本で評価の高いSFC時代の4~6がこっちではあまり人気が無い。
*1997年に発売された初代プレイステーション。今でこそ当たり前だが、当時、家電業界の雄であるソニーのゲーム市場進出は衝撃的な出来事だった。同時期に発売されたセガサターン、3DOなどとともに「次世代機」と呼ばれた。
こっちでPCが一気に普及したのって96、97年くらいからだったはず。その頃だとドラクエの過去作品を同時期の他のRPGと比較した場合どうしても劣って見えたし、ウチの国のゲーマーを引き付けることはできなかったんじゃないかね。
なんかこっちの感覚だとドラクエって「ヘビー」なゲームなんだよね。ゲーム画面とかデザインが上級者向けに見えるというか、なんか一般層からは手を出しにくいと思われている。
ドラクエを遊ばない俺からしてみると、ドラクエの良さって鳥山明のキャラデザ以外に何があるのかという感じだ。
なんでウチの国だとドラクエってマニア向けゲームのカテゴリになるんだろうな。日本だと国民的RPGなんだろ?
やはり「遊ぶ」所まで行く人間がウチの国だと少ないというのが理由じゃないだろうか。ドラクエに手を出すようなのってウチの国で最も初期にゲームに触れていたような人間がほとんどだし。
うーむ、ドラクエって実際に遊んでみるとある種の「習慣」のようなリズムで遊んでしまうんだよね。あの感覚はスバラシイと思うんだが、他人に伝えるのが難しい。
確かにドラクエって不思議なゲームだよな。画面が良いわけでもないし、ストーリーも飛びぬけている訳でもない。でもなんか面白い。中国で人気が出ないのは何となく分かるが、日本で面白いとされているのも何となく分かる。
キャラの会話だけでなく、戦闘シーンまで含めて文字による細かい部分の演出にドラクエの魅力のかなりの部分があるから、そこが伝わらないとドラクエの面白さは分からないんじゃないかな。中国語版になっても細かい部分の翻訳は分からん。英語版だと少しはマシかもしれないが、こっちの英語能力という問題が出る。
今になってウチの国でドラクエが人気になることは無いだろうね。現在の主流はネットゲームかスマホのゲームだし、今更SFCの頃の画質やらゲームデザインなんかでは人気に火がつくことはないと思う。
結局ドラクエはFFよりも日本の文化やゲーマーの好みに合ったというか、特化されたゲームってことなんじゃないの?中国の国民的RPGとされている「仙剣」(仙剣奇侠伝)も、他の国ではほとんど遊ばれていないみたいだし。