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2011年12月13日
*画像は新京報の報道。
■恐怖の豚肉
北京市に住む李さんは4日、市場で豚肉を買ってきた。ごくごく普通の豚肉で、1キロのブロックに切り分けられていたのを買ってきた。冬なので冷蔵庫に入れないことにしたのだが、厨房に置いておくと猫に食べられるかもと寝室に置いておくことにした。それが恐怖の始まりだった。
朝5時頃、目を覚ました李さんは異変に気がついた。部屋の中に、なにか青白く不気味に輝やく物体があるのだ。あわてて電気を付けてみると、光を発していたのはなんと豚肉だった。
■中国全土で確認されている「光る豚肉」
「もう半分食べちゃったんです……。なんか体に問題とかでないでしょうか」と不安がる李さん。京華時報に通報し、記者と一緒に調べることに。肉になんらかの蛍光塗料が塗られているのではと疑い洗ってみたが、何度洗っても、暗がりにいくと光を放ち続ける。
肉には正規の検疫印が押してある。無認可の食肉処理場で処理されたものではないのだ。この「光る豚肉」はを購入したのは李さんだけではない。すでに10人近い市民から当局に問い合わせがあったという。
中国のネットでは「光る豚肉」の発見例が数多く報告されている。2007年の西安市を皮切りに、北京、上海、瀋陽、武漢、長沙などで報じられている。しかし、ここまで見事に美しく光る豚肉の写真は今回が初めてではないか。
■「光る豚肉」は食べちゃダメ
北京市通州区動物検験検疫局の職員は「リン飼料を食べすぎたせいか、あるいは蛍光菌が繁殖したのでは」と推測している。豊台区工商局関係者は「光る豚肉の噂がネットで広がっているのは知っていましたが、原因となるとさっぱりわかりません」とお手上げ状態だ。
これに対し、食品衛生の専門家である董金獅氏は、肉の見栄えをよくするために塗料を塗っている可能性が高いと指摘。蛍光増白剤を塗ると、肉は美味しそうに見えるのだという。水で洗ってもそう簡単に塗料が落ちることはないという。
塗料でなければ、蛍光菌の可能性も考えられるが、どちらにせよ食べるのは避けたほうがいいとアドバイスしている。今後は中国で肉を買う場合、まずは暗がりに置いて光るかどうかを確かめたほうがいいのかもしれない。
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