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街から畑へ流れゆくカネ=絶不況に反し急騰するアメリカ農地価格(ucci-h)

2011年12月13日

■値上がりするアメリカ中西部の農地価格■

*当記事は2011年11月23日付ブログ「チェンマイUpdate」の許可を得て転載したものです。



iowa hay field harvest
iowa hay field harvest / mahalie


世界のニュースを見ていると、「おや、これは?」と思うニュースが時に出てくる。世界経済はひとつになり、連動することが多くなったのだが、部分的に「逆流現象」が起きる(日本の根強いデフレもそうかな?)。

アメリカの農地価格が上昇している。アメリカ景気も芳しくなく、世界の商品市況は4月をピークに下降トレンドにあるのだが……。


■急騰するアメリカ農地価格


2011年11月15日に発表された米国の連銀調査によれば、今年2011年第3四半期、米国の穀倉地帯の農地価格は、ここ30年来の高値で取引されるようになっているという。中西部のコーンベルト地帯では、小麦や畜産ブームでこの1年で25%もの上昇をみせている。

この春から穀物価格は下がってきているのだが、農家は農地価格がここ10年で10倍近くになったので喜んでいるそうだ。連銀はバブルの破裂を心配している。

80年代のブーム時とは違い、買い手はクレジットではなくキャッシュで買っているという。売る農民はローン債務から開放されてやれやれだ。ということは、アメリカでは金融緩和によって金が田舎に出回っているということだろうか?

tractors on the highway
tractors on the highway / mahalie



■コーン生産地アイオワでは10年で9倍もの高騰


ネブラスカ州の農地の値上がりが一番大きく、1年で40%も上がっているという。干ばつのあったオクラホマ州では10%という小さな値上がりだった。コーン生産の中心地、アイオワ州の農民はびっくりしている。州都デモイン郊外の農地が先月2011年10月、1エーカー当たり1万6200ドル(約126万円)で80エーカー売れたが、10年前の価格は1エーカー1892ドル(約14万7000円)だった。

世界人口が70億を超え、中国がせっせと米国産穀物を買い、またバイオ燃料の拡大で米国産コーンの4割がこれに使用されるとなると、米国農地価格の上昇を長く支える要素があるということだろうか。アメリカの農地だけでなく、南米やアフリカの未開発農地にも資金が流れているようだ。

Jason in Iowa
Jason in Iowa / mahalie


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*当記事は2011年11月23日付ブログ「チェンマイUpdate」の許可を得て転載したものです。





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