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日本人の「貧乏人精神」と中国人のおごりが日中衝突の原因=谷垣自民党総裁インタビュー(凜)

2011年12月14日

■自民党谷垣総裁インタビュー■

*当記事はブログ「政治学に関係するものらしきも」の許可を得て転載したものです。



Rockefeller Center at Christmas (B&W)
Rockefeller Center at Christmas (B&W) / Francisco Diez


日本華字紙・日本新華僑報による、谷垣禎一・自民党総裁のインタビュー記事をご紹介します。谷垣総裁は影が薄い印象で、政治信条や外交政策については知る機会がなかったので、参考になりました。


■低成長時代に対応できなかった自民党

最初の質問は自民党の野党転落について。野党になった自民党には「無力感も漂っている」との分析もありますが……という厳しい質問です。

谷垣総裁は、戦後日本で自民党が果たしてきた役割を説明し、長期与党として自民党が変質したこと、低成長時代に対応できなかったことが野党転落の原因だと分析しています。特に前回の選挙では大きく議席を減らしてしまったわけですが、選挙基盤の弱い若手が多く落選したと指摘し、ベテラン議員の比率が増える「議員高齢化問題」が進行したと述べています。


■頻繁な首相交代の弊害

2009年の政権交代以来、早くも民主党として3人目の首相が登場したことについて。

谷垣総裁は自民党も小泉政権後に首相交代が続いたため民主党を批判はできないが、日本の国際的イメージに悪影響を与えるとコメントしました。国際会議や外交の場で、相手国が日本担当者について理解していない状況は問題解決を難しくすると話し、政策の一貫性という面でも問題だと話しています。日本の政情が不安定とのイメージを与えることで、外資企業の誘致にもマイナスだと言及しました。


■日本人の「貧乏人精神」と中国人のおごり

そして、インタビューのメインとなる日中関係について。

谷垣総裁は、民主党の対中政策が不透明だと批判。その上で次のように話しています。

日中関係は以前ほど良好ではないが、その責任は日中両国双方にある。日本の高成長時代、とりわけ国民生活の改善が進んでいた時代には、日本人はある種の寛容さを持っていた。しかし、ここ20年というもの、日本経済はほぼ停滞状態にある。一方、中国は急速に発展している。日本人の寛容な精神は次第に失われつつある。あまり適切な言葉ではないかもしれないが、「金持ちケンカせず」と言う。20年にわたる中国の飛躍的発展とともに、日本国民の「金持ち精神」は次第に「貧乏人精神」に変わりつつある。これが日中関係に問題が起きる一つの要因だ。

また中国についても注目し続けているが、急成長とともに中国人の多くはそれを自慢するようになっている。同時に国際社会に対しても中国がわがままな主張をぶつける現象も見られるようになってきた。これも日中関係変化の一要因だろう。日中関係の調整には、これらの要素を考慮しておく必要がある。

自民党と民主党の対中政策の違いについてだが、自民党の政策はきわめて明確だ。日本と米国は同盟国であり、日米関係を基軸として日本外交を展開する。一方で日中関係はきわめて重要な二国間関係であり、戦略的互恵関係を構築する必要がある。

民主党政権はというと、鳩山首相が日米中のトライアングル、東アジア共同体構想を提案した。中国側は日本が以前よりも対中関係を重視するシグナルだと考えただろう。ところが菅首相、野田首相の対中政策はあいまいなまま変化している。よくわからないのではないか。


■民主党には中国との外交ルートがない

次は「民主党の安保政策は自民党を超えている部分も少なくありませんし、自民党がやりたくてもできなかったことを実現している点もあります。民主党の防衛、安保政策をどのように見ておられますか?」という質問です。

これには外交ルートの問題があります。自民党と中国にはさまざまな外交ルートがありました。どんな問題が起きても、誰と話せばいいかわかっていた。腹をわった交流ができていたのです。ですから、自民党の安保政策も中国の理解を得られていた。

ところが民主党はこうした方面の人的関係が乏しい。昨年の尖閣沖中国漁船衝突事故についても、日中両国は自分の国益を主張するだけ。公開の場で国は自らの立場を表明するのは当然です。しかし、自らの主張を言い続けるだけでは、問題は解決しませんし、双方に利益もありません。こういう問題が起きた時に誰を窓口に話すべきか。そうした外交ルートが民主党には存在しないようです。

民主党の安保政策ですが、考えたらすぐに実行するというもの。中国を含む隣国との交流がありません。民主党の問題点でしょう。


■「中国人による日本不動産買収」は合法的なもの

「2011年上半期の日中貿易額の記録更新に象徴される、日中経済関係の緊密さと政治関係の不安定性。そして、中国人の日本不動産買収について、日本一部メディアが批判的に報道していることについて」という質問です。

政治問題については、上記の民主党が外交ルートを持たないことが原因だとばっさり。そして不動産問題については、次のようにコメントしています。

日本メディアによる「中国投資家が日本不動産購入」報道についてですが、思うに資本主義の経済市場においては不動産だろうがなんだろうが、売買は自由であるべきです。今、中国経済は急成長しており、中国人は海外で不動産を購入するようになりました。日本も過去には同じような時期がありました。当時、日本の対米貿易黒字は年々増え、ある日本企業は米ロックフェラー・センターを購入しました。米国人は買収に強い反感を抱き、抗議しています。

思うに、ある意味において、現在の中国と当時の日本は似ている部分があります。中国人の日本不動産購入を、日本人の多くは不満に感じているでしょう。しかし、日本市場の原則は売買の自由であり、中国投資家が日本で不動産取引に参加しようとも違法行為でもなんでもないのです。


■日本政治家は中国古典文学の素養を持つべきだ

「今の日本の政治家の中でも、谷垣総裁は中国古典文学の造詣が深く、四書五経や唐詩、宋詩がお好きだとか。蘇軾も好きだそうですね。中国古典文学があなたの政治家人生に与えた影響を教えてください」という質問。

ははは。中国の友人からこのことを聞かれると、どうも恥ずかしいですね。私は方角出身です。日本では100年前の判例を参照することもあるんですよ。学生時代はそうした古い判例も読まないといけなかったのです。古い判例には漢字がたくさん使われていましてね。それを理解する必要がある。そうしているうちに、漢字、漢文、漢詩について興味を持つようになったのです。日本にも『源氏物語』など文化的含意の深い作品がありますが、四書五経を読みながら漢詩を詠むというのは楽しいものですよ。

実際、今日にいたっても、中国古典文学を知らずに日本文化を語ることはできないでしょう。日本の政治家にとって、中国古典文学の勉強は教養を養うすばらしい方法だと思いますよ。


■自民党総裁の発言という重み

谷垣総裁の分析はこれといって目新しいものではありませんが、政治家、それも自民党総裁の口からの発言だと思うと、やはり考えるところはあります。民主党の対中外交ルートの欠如を批判していましたが、ではパイプがある自民党にも、ちゃんと交渉できる政治家は何人いるのでしょうか。

また、中国人の日本不動産買収問題について、谷垣総裁が「問題はない」という立場を明確にしていることも初めて知りました。インタビューの中でも一番興味深い部分でした。

Conservative.
Conservative. / MJ/TR (´・ω・)




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 コメント一覧 (1)

    • 1. 亡命希望者h
    • 2014年04月02日 00:06
    • 勝チ逃ゲ気取リノ貧乏共ダロ?
      大迷惑
      一匹残ラズ肉デヨイ
      バンバン肉バンバン

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