中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年12月15日
*画像は新京報の報道。
2011年12月14日、北京商報が伝えた。
■光る原因は蛍光菌
記事「不気味すぎる「光る豚肉」=「半分食べちゃった……」と落ち込む市民」でご紹介したのが、暗いところで怪しく「光る豚肉」。噂は以前から伝えられていたが、今回の報道では見事なまでに光る姿が写真にとらえられている。なんとも不気味な絵面だけに「豚肉“も”怖い、豚肉”も”やばい」と大反響を呼び、「夜明豚」というなんだかオシャレな名称で事件が報じられている。
北京市工商局が問題の豚肉を検査したところ、正規の食肉処理場で解体された豚肉であったことが判明した。北京市食品安全コントロールセンターで検査を実施したところ、蛍光菌が原因だと判明した。
蛍光菌(P. フルオレッセンス)は自然界に広く分布する菌で、食品腐敗の原因菌の一種。食品を変色させたり、暗がりで光らせたりするという怪しげな働きを持つ。さまざまな菌類が登場する漫画『もやしもん』にも登場しているという(ウィキペディア)。
人間の病原菌ではなく、また70度以上で加熱すると死滅することから危険性はないとのこと。北京市工商局は「安心して光る豚肉を食べてくださいね!」とアナウンスしている。
■安全と言われても……
正直、「お肉屋さんが見栄えをよくするために蛍光増白剤を塗っている」との説が有力だと思い込んでいた。北京のお肉屋さんのモラルを疑ってすいません。今後は光っても、気持ち良く食べようと誓った次第である。もっとも中国のネットの反応を見ると、「いくら安全と言われても信じられない」「さすがに食べられない」という反応が多いようだが。
ちなみに蛍光菌は30~35度の温度で活発に繁殖するとのこと。前回記事で紹介した李さんは市場で買ったとのことなので、豚肉は冷蔵庫に入れられることなく、暖かい店頭にどんと置かれたままの状態で、菌の繁殖に適した状態だったのではないか。
「光る牛肉」はコールドチェーン(低温流通体系)が未発達で、かつ冷蔵庫を使わない市場がまだ多い国ならではの産物のようだ。