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経済成長にともない上昇する土地と労賃=海外立地を急ぐ中国製造業(ucci-h)

2011年12月18日

■中国の製造業が海外立地を急ぐ時代になった■

*当記事は2011年12月16日付ブログ「チェンマイUpdate」の許可を得て転載したものです。


Seagate Wuxi China Factory Tour
Seagate Wuxi China Factory Tour / Robert Scoble

*中国のプラスチック製品工場。

■外に出始めた中国製造業

中国が経済成長し、労賃、オフィス代、土地代などのコスト増により、中国での労働集約的な製造業が、海外へ出て行く時代にすでになってきた。中国9都市の最低賃金は、昨年2010年来平均21%上昇した。

タイを追い越す中国の最低賃金の引き上げ(チェンマイUpdate、2011年1月4日)


中国沿海の輸出向け製造業(うち半分以上は外資系だが)は、よりコストの安い海外(バングラデッシュ、インド、インドネシア、ベトナム、アフリカ諸国など)での生産に切り替えつつある(ベトナムでは、中国系の子会社が1000に上るといわれる)。

Silk factory, Dalat
Silk factory, Dalat / Ed Yourdon

*ベトナムのシルク工場。


■「ゴーイング・グローバル」戦略

中国政府も「ゴーイング・グローバル」戦略をとっており、これを後押ししている。2007に230億ドル(約1兆7900億円)だった中国の対外直接投資は、2008年に520億ドル(約4兆500億円)へ倍増、その後2009年の世界信用危機を経て、2010年には680億ドル(約5兆3000億円)と、世界第5位の対外直接投資国となっている。

中国としては、国内生産はいっそう付加価値の高いものにシフトし、労働集約的なもの(おもちゃ製造からデータ・エントリー・サービスまで)は、海外にシフトしたいわけだが、同時に中国内陸部の生産環境、インフラを整備し、内陸部での工業化も目指している。これももうひとつの方向だ。この「大西部開発戦略」も、ゴーイング・グローバルの一環と見ていいだろう。

現在、世界の中で、自由貿易、国際連携の進展のベネフィットを一番受けているのは中国かもしれない。今現在は、循環的に中国の製造業は鈍化しているが。

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*当記事は2011年12月16日付ブログ「チェンマイUpdate」の許可を得て転載したものです。

 

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