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2011年12月18日
*『Cosmology & Consciouness』と題された科学者とチベット僧侶たちの対話の開会式に出席されたダライ・ラマ法王。
■『Cosmology & Consciousness』僧侶と科学者との対話
2011年12月16日朝9時、法王はダラムサラTCV(チベット子供村)のホールにおいて、3日間行われる会議のオープニング・スピーチをされるためにTCVに来られた。会議にはインドの大学から2人、アメリカの大学から4人、チベット人の賢者4人がパネラーとして出席。科学者は宇宙物理学、宇宙生物学、脳神経学の有名教授ばかりである。
*TCVの子供たちに迎えられる法王。
法王はかねてより仏教と科学との相互交流の大事さを説かれ続けている。法王自身が度々科学者との対話を行われるだけではなく、チベット社会、特に僧侶たちが科学者と交流することの緊急性を説いておられた。これを受け、10年前から主立った僧院に科学者を招き、僧侶たちに科学的知識を身につけさせるプログラムが始まっている。また、逆に仏教が科学の進歩に貢献できるとの確信から、科学者へ仏教科学を紹介することにも努力されている。
■「科学と仏教は対立するものではない」
法王はスピーチの中で
「かつてあるキリスト教の司祭が私に、『科学者に近づかない方がいい。彼らは宗教を否定するから』と言った。私はそれは違うと言った。仏教は縁起を説き、因果律を認める。これは科学の考えと一緒だ。また、科学とは事実を分析、研究、実験することをその方法論とする。
これもまた仏教と同じだ。ナーガルジュナに始まるナーランダ大学の伝統(注:チベット仏教ではナーガルジュナもナーランダ大学の学僧と言う事になっている。私は個人的に科学的仏教史を学ぶ事も勧める)も分析し証左することにある。論理的に間違ったことは否定される」
「かつて仏教を翻訳するために新しいチベット語の単語が創作されたように、今チベット語を豊かにするために全ての科学用語をチベット語に翻訳する試みがなされるべきだ。また僧侶は科学者たちに対して仏教の科学的知識を紹介できるようにならなければいけない。長年科学者たちと対話することにより、チベット仏教は世界の宝だという確信を持つに至った」
「科学もブッダの教えも共に、全ての存在が根源的に結びついていることを我々に教える」