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試験問題流出疑惑で「炎上モード」=血眼で勉強する受験生とカンニングの誘惑

2011年12月19日

2011年12月18日、中国教育部は全国大学英語試験の問題流出疑惑に答え、流出は「悪質な釣り」だったとの見解を示した。


考试前
考试前 / Aaron.huo


■全国大学英語試験の問題流出疑惑

12月16日、17日、全国大学英語試験の4級、6級が行われた。中国の大学では基本的に4級取得が義務づけられているほか、6級を取得しようという意欲的な学生が多い。中国では就職時に資格があまり重視されないのだが、外国語だけは別だ。かくして学生たちは卒業するため、履歴書の見栄えをよくするため、必死にテスト勉強に励んでいる。

そんな中、いつも話題になるのがカンニングの存在。替え玉受験、通信機で回答を教えてもらえるなどなどさまざまな手法が横行していると伝えられている。今回、話題となったのが試験問題の流出。あるウェブサイトに試験問題と回答が掲載されていたのだが、サイトの書き込み日時は試験開始1時間前だったという。

「誰かが試験問題を先に入手してたんや!」とネット民は大騒ぎ。自分は必死で勉強したのに、ズルで合格している者がいるなんて許せようはずがない。不公平、不正義が横行する中国、せめて試験ぐらいは公平に競争する機会であって欲しいという願いから、カンニング問題は人々の注目を引く「鉄板ネタ」である。中国メディアも報道を始めるなど、騒ぎは拡大する傾向を見せていた。


■当局の素早い対応

この「炎上」気配にすばやく対応したのが中国教育部。18日に「試験問題の流出及び大規模なカンニングなどの異常状況は確認されていない」と発表した(新華社)。

問題の「流出」だが、試験終了後に発表された問題を転載したもので、流出でもなんでもないという。「考試百科」というウィキサイトに投稿されていたものだが、書き込み日時は以下のような手段を使って操作した。まず試験開始1時間前に適当な内容を投稿。試験問題を入手してから内容を書き換えるという手法だ。きわめて単純な方法で編集履歴をのぞけば、すぐにバレてしまうような稚拙な手口だが、とはいえ一般人を騙すには十分だ。

「流出問題が速攻で掲載されるサイト」としてアクセス数を稼ぎたかったというのが動機だろうが、中国教育部は関係者4人に厳罰を科す方針を示している。


■多い?少ない?カンニング幇助集団14グループを摘発

なお、流出問題以外にカンニング幇助グループ14グループ、関係者45人も逮捕されたという。この数を見て、「水際での防止に成功した!カンニング疑惑なんか最初からなかったんや!」と思うか、「これだけ逮捕されるんだから、成功している人はもっとたくさんいるんじゃないの?カンニングはやっぱり横行しているんだ」と思うかは、個人の自由である。


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