中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年12月21日
The end of dreams / CGehlen
タイの北の国境、ビルマやラオスと接する「ゴールデン・トライアングル」は、いまや麻薬の取引地帯ではなく、観光地となった。ならば、ビルマやラオスのオピウム(アヘンけし)の栽培は減ったかというとむしろ増えているようだ。
UNODC(国連薬物犯罪オフィス)が、ヘリコプターや衛星、村々への調査などで調べたところによると、東南アジアでのけし栽培面積は、昨年に比べ、16%増えているという。2006年から見ると、けしの栽培は倍増しているそうだ。
WORLD DRUG REPORT2011(UNODC、PDF)
■世界第2位の「アヘンけし」生産国ミャンマー=生産額は前年比5割増
Opium Poppy Heads / Alastair Rae
アフガニスタンに次ぐ世界第2位のアヘン、ヘロイン(アヘンの中の麻酔作用を持つモルヒネを抽出し、精製したもの)の原料となる「けし」の生産国であるビルマは、前年比37%と大きく増えている。ビルマでアヘンけしの生産に携わる人口は25万人に達するという。少数民族の紛争地が中心だ。北東部のシャン州、そして北部のカチン州である。
新政府と地方民族軍との密談=半世紀ぶりに帰国した追放の王子―ミャンマー(ucci-h)
中国・ミャンマー間に位置する、独裁軍閥「ワ州」。同地でも、アヘンけしの栽培が軍閥の大きな収入源となっています。当サイト寄稿者でもある迷路人こと安田峰俊さんは実際に中国経路で密航し、突撃潜入取材を決行。その経緯をつづった著作『独裁者の教養』が星海社新書より絶賛発売中。有史以来、足を踏み入れた日本人は、いて数十人ほどだそうです(水島)。
29歳の「中国ネットウォッチャー」がなぜ独裁王国に潜入したのか?安田峰俊『独裁者の教養』出版記念インタビュー(1)
(1)けし由来の麻薬であるアヘン、ヘロイン(麻酔作用)
(2)コカ葉からの麻薬であるコカイン(覚醒作用)
(3)合成麻薬であるLSD、MDMA(エクスタシー)幻覚作用
(4)大麻からのマリファナ(グラス、ポット)、ハシシ(感情増幅作用)
(5)覚せい剤のアンフェタミン(米空軍利用)、メタンフェタミン(日本で合成、ヒロポン、スピード、シャブ)覚醒作用