中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年12月21日
Factory scenes in China: 45 shows a woman worker / Thomas Fisher Rare Book Library
■「もっと残業を」
19日午前、工場正門前には200~300人の従業員がつめかけ、ストライキを宣言した。混乱を恐れて出動した警官数十人が警戒にあたる中、従業員たちは要求を述べた。もっと残業を、と。
中国工場労働者の給与だが、基本給(底薪)が占める割合は半分程度。他は皆勤手当やら無遅刻手当やら各種手当てが占めている。中でも最も大きな手当が残業代だ。
■「手取りが半分になっちまった」
ストライキに加わった李さんは残業がなくなったため、給料が月3000元(約3万6000円)から1500元(約1万8000円)と半分にまで減ってしまったと嘆いている。年金や保険を払うと手取りは1200元(約1万4400円)程度。生活費に月900元(約1万800円)はかかるので、いくらも貯金できないと怒っている。
湖南省からやってきた黄さんもストライキに加わった一人。週5回40時間勤務では稼げないと話し、土日に出勤させて欲しいと訴えた。黄さんは華鷺自動控制器有限公司でもう7年も働くベテラン労働者だが、年々給与は下がっている印象だと訴えた。以前は土日に残業すると、残業代が2倍つく制度があったという。
■「仕事がないんだ」会社の苦境
19日午後、従業員代表と企業管理職との交渉が行われた。工場側は「仕事がないんだ」と窮状を訴えた。今年下半期以来、同社への発注量が激減しているのだという。会社側は「予定よりも早く旧正月休暇を取得してもいい。その間の基本給は支払う」との譲歩案を提出したが、従業員側は受け入れなかったという。
世界経済の減速が中国の輸出産業を直撃している。「もっと残業させて」というスローガンはちょっと不思議な印象だが、従業員にとっては切実な要求だ。一方、会社側にとっても困りもの。本来は仕事量に応じて増減可能なバッファだったはずの残業が、労働者にとっては「当然あるべき権利」となっており、簡単には残業を減らせなくなっているからだ。
「もっと残業させて」という不思議なスローガン。今後、目にする機会が増えそうだ。
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さて今回気付いた点は、
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「于ケッレズ」->「受け取れず」
あと、英文だったら気にならないのですが、
・中国人も「ソーシャル疲れ」=実名制導入前に見えていた微博の陰り
「Mixi」->「mixi」
SONYやTOSHIBAだと全て大文字で表記しても違和感はありませんが、「MICOROSOFT」や「PANASONIC」だと違和感があるのと同じ感覚です。