中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年12月29日
3D holographic television may be closer than you think / MarkWallace
■アグレッシブな中国
新技術の吸収、普及に貪欲な姿勢を示す中国。3Dチャンネル開設に必要な条件が整ったのか、まだ怪しいところだが、専門チャンネル開設が決まった。中国中央電視台(CCTV)を始め、北京テレビ、上海テレビ、天津テレビ、江蘇テレビ、深圳テレビの6社が合同で開設する。
さて、3Dテレビを持っている中国のご家庭ってどれだけあるの?というのが気になるところだが、この問題はクリアされつつあるという。というのも地獄の競争を繰り広げている中国テレビ市場では、少しでも差別化を図ろうと最新鋭機能搭載合戦が進められているため。ほとんど使う機会がない3D機能だが、店頭に並ぶ新型テレビではほぼ標準搭載状態。3D機能のあるなしでの価格差は数百元程度しかないという。
■課題はコンテンツ不足
むしろ問題はコンテンツだ。テストチャンネルは1日13時間半の放送を予定しているが、うち9時間は再放送。新たな番組は1日4時間半しか供給されない計算だ。現在、3D番組の制作費は通常の番組の5倍前後のコストがかかるということで、各テレビ局は番組制作に消極的。中国全土の3Dコンテンツをかき集めても150時間程度しかないという。
コンテンツ不足解消の切り札となりそうなのが、スポーツと旧正月特番。CCTVはすでにロンドン五輪の3Dテレビ放映権を取得済みで、300時間分の3D番組を制作する意向だ。また日本の紅白歌合戦的な国民的テレビ番組、CCTVの春節聯歓晩会も3D化が予定されている。
中国の旧正月といえば、家族団らんの時間。みんなでメガネをかけて3D特番を見ているのが、未来の年越しの姿になるのだろうか。