1億件に迫る規模に拡大した中国の個人情報流出だが、さらにとんでもないニュースが飛び込んだ。今度は銀行口座の口座名、口座番号、パスワードまでごっそり流出したという。その数は1億件以上。銀行側は否定しているが、その真相やいかに。2011年12月29日、
光明網が伝えた。
Hackers / José Goulão
■これまでのあらすじ
2011年12月21日、コンピューターセキュリティ企業「安全衛士360」は、ソフトウェア開発者向けポータルサイト・CSDNから登録者名やメールアドレス、パスワードなど約600万件の個人情報が流出したことを発表した。流出したデータは2009年に作られたバックアップデータで、暗号化などの処理もなされていなかった。流出したデータはP2Pネットワークに置かれ、誰もがダウンロードできる状態となっていた。
その後、続々と大手IT企業の個人情報流出が報告された。中でもネット掲示板大手・天涯社区からは4000万人分の個人情報が流出している。大手SNS・人人網や大手ポータルサイト・捜狐の情報流出も噂されているが、企業側は否定している。
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■1億件以上の口座情報が流出か
ニセモノのデータも含まれている可能性があるとはいえ、P2Pネットワークに流出した個人情報は1億件に迫る勢い。被害がどこまで拡大するか注目されていた。
そして29日、もっとも流出してはならないデータの流出がメディアを飾った。銀行の口座情報である。ネット民の調べによると、交通銀行から7000万件、民生銀行から3500万件が流出したと見られる。もっとも早く反応した民生銀行はすでに「流出は事実ではない」との公告を発表したが、騒ぎは拡大している。
ネット民の調べによると、流出した情報には口座名、口座番号、パスワードなどが含まれているという。ネットバンクを使えば、口座からの引き出しも可能となるだけに事実だとすれば大変な問題となる。ちなみに私が口座を持っている中国工商銀行からも個人情報流出が噂されているようだ……orz
■口座情報流出は疑わしいもっとも個人的には、銀行口座情報の流出は怪しいと考えている。CSDNや天涯社区のデータは1年以上前に流出しており、すでにスパムメール用リストやらに十分転用されたデータと見られる。銀行口座情報が本物だとすれば、ネットで公開する前に徹底的に活用して口座から現金を抜いているはずだが、大規模な口座乗っ取り被害はこれまで報告されていないからだ。
とはいえ、一部報道では「中国ITサービスにアカウントを作ったら、その情報はすべて流出するものとお考えください」という身も蓋もない話まで出ている。中国にも優れたITサービスが多く、私もいろいろ使わせていただいているが、自衛意識だけはちゃんと持たなければならないということだろう。他サービスとパスワードを共用するなどの行為は御法度である。