中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2012年01月04日
犬飼さんちの犬を見る犬 / y_katsuuu *image
■バラエティ制限令
昨年10月に開催された中国共産党第17期中央委員会第6回全体会議(六中全会)は「文化体制改革」をテーマとしていた。その余波で文化産業に対する新政策、新規制が続々と発表された。テレビ業界に関する新たな規制もその一つだ。
まず「娯楽制限令」だが、34の総合チャンネル・衛星テレビチャンネルを対象としたもので、「お見合い番組、隠し芸大会、トレンディドラマ、ゲーム番組、お笑い番組、トークショー、リアリティ番組」などの人気番組を禁止、ニュース番組及び道徳啓蒙番組の拡充を命じたもの。
その効果は明らかで、1日以後、上記娯楽系番組の約70%が消失したという(新華社)。一方でニュース番組は30%の増加。やり玉に挙げられていた湖南テレビのバラエティ「快楽大本営」、江蘇テレビのお見合い番組「非誠勿擾」は番組の存続は許されたが、放映時間枠の制限などの禁止が課されている。
「自転車に乗って笑っているよりも、BMWに乗って泣いているほうがまし!」と断言した「拝金女」馬諾孫雅莉を排出した「非誠勿擾」だが、しばらくはこうした濃いキャラは登場できないかもしれない。
一方で、娯楽制限令には引っかからない「赤い娯楽番組」も登場した。タレントとその故郷の視聴者が一緒にクイズに答える湖北テレビの「我愛我的祖国」、四川テレビの音楽番組「中国愛大歌会」などがそれにあたる。軍所属の歌手などは一気に出演機会が激増するのかもしれない。こうした番組は娯楽番組枠ではなく、道徳啓蒙番組枠扱いとなっているため、規制には引っかからないという寸法だ。拝金女とか濃いキャラが登場する「赤いお見合い番組」の登場を待ちたい。
■ドラマ広告制限令
さて、もう一方の広告制限令だが、こちらはドラマを対象としたもの。ドラマ放映時にはまるまる1話を連続して放映することが義務づけられ、間に広告をはさむことは禁じられている。広告はドラマの前後に限定するという趣旨だが、テレビ局にとっては膨大な広告枠が消失してしまうわけで手痛い打撃となる。
もっとも各局は「上に政策あらば下に対策あり」の中国精神で対抗しているようだ(武漢晩報)。
・1話目と2話目の間の広告が20分もあったぜ?!
・エンディング曲がカットされて速攻広告を流された……
・なんか1話あたりの時間が短くなった気がする。
・ドラマ放映中、画面の角や下にずっと字幕広告が流れているんだけど……。「スポンサー**からプレゼントのお知らせです」みたいなやつ。
・ドラマ放映枠に「**劇場」っていうスポンサー名がついているんだけど、それがずっと表示されているんだよね。
×孫雅莉
○馬諾