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「世界で58番目に美しい政治家」昇進ならず=中国外交部の新報道局長人事(水彩画)

2012年01月06日

■【姜瑜タソファン】新報道局長に秦剛さん【残念】■

*本記事はブログ「中国という隣人」の許可を得て転載したものです。



■中国外交部報道局長がこっそり交替

速報どころか出遅れまくりなのですが、中国外交部報道局長に秦剛氏が新たに就任しました。

中堅幹部の異動について発表はされないのが一般的で、公式サイトに変更があったり、新たな肩書きで報道されているのを見て初めて気づくということになります。一般人なら見逃して当然という仕組みなので、なんともウォッチャー魂をくすぐられる仕様です。しかし、中国要人葬式ヲチャ、中国外交部ヲチャを自負していたのですが、これまで見落としていました。いやはや、精進が必要です。

外交部報道官は局長級のポスト。地位はそれほど高くないものの、日本での露出度は温家宝、胡錦濤に次ぐレベルの高さです。日本以外の他国でも報道官たちの顔を見る機会は多いでしょうから、サービス的な意味でもうちょっとハッキリしたアナウンスがあっても良いと思うのですが。


■報道局長交代、その一連の流れ

さて、報道局長交代の一連の流れについて押さえておきます。まず前任局長の栄転について。

・「馬朝旭・外交部報道局長が次官補に昇進」(新華社、2011年12月20日)

記事の見出しには「昇進」とあるのですが、

党中央国家機関工作委員会公式サイトによると、12月14日、外交部外管局センターが主催した、『党の第17期六中全会精神を徹底的に深く学習し、新しい情勢下での外事管理工作を進める』をテーマとした学習会に、馬局長が次官補として出席した。

という回りくどい説明。「次官補として出席したことにより、馬氏が昇進した事が確認できた」という体裁が取られています。素直に昇進を報じる記事ではありません。14日開催の学習会に関する記事なのに、馬氏の出席が公表されたのが19日にズレ込んだのも不思議なのですが……。理由は考えても分からないのでスルーします。


・「外交部報道官、北朝鮮最高指導者金正日逝去で談話」(新華社、2011年12月19日)

19日、金正日死去について「哀悼の意」コメントを発表したのは馬氏です。この時点で肩書きは報道官とだけ。局長のままなのか、次官補に昇格したのか確認できません。19日段階では外交部公式サイトも報道局局長は馬氏のままでしたから、昇進したとはいえ、しばらくは次官補兼任という状態だったのでしょう。

孔泉がフランス大使に転出し、後任の局長に筆頭副局長だった劉建超が就任した前例から、一部で人気の高い姜瑜副報道局長が昇進する可能性もゼロではないだろうと考えていました。もちろん期待も込めた甘めの見立てですけど。
(「世界で最も美しい政治家」投票で58位の栄誉に。なお日本からは藤川優里氏が5位に入選。関連リンク:「どう見てもドSの姜瑜が美女政治家ランク入り」中国という隣人、2009年4月3日)

ですが、後任となる秦剛氏は滞在先の英国から帰国する準備を着々と進めていたのです。

・「劉暁明駐英大使、秦剛公使離任式挙行」(駐英中国大使館、2011年12月21日)

大使主催の離任パーティが開かれたのは20日。馬局長の昇進が明らかになった19日の翌日です。2010年まで報道官を務め、「中英関係重視」のためとして、3度目の駐イギリス大使館務めとなったはずの秦剛さん。たったの1年余りで出戻りとなりました。


■中国外交部の人事異動

中国外交部は、昨年10月から活発な人事異動を続けています。呂国増副部長を退任させ、程国平次官補を副部長にし、楽玉成・政策規画局長、そして馬朝旭報道局長を次官補に昇格させてきたのです。秦剛氏の出戻り理由も一連の動きに関わるものなのでしょう。

中国国内に適任者がいないため、わざわざイギリスから経験者を呼び戻したということなのでしょうか。馬朝旭局長の昇進が唐突だった印象がありますから、後任を用意する時間がなく、次善の策として秦剛氏を呼び戻しただけかもしれません。

20111206_写真_中国_外交部
*姜瑜副報道局長。

我らの姜瑜さんですが、5年もこの仕事を続けているだけに、充分、局長の資格はあると思うのですが……。とにかく残念なのです。

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*本記事はブログ「中国という隣人」の許可を得て転載したものです。

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