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2012年01月08日
■吉野家香港、メニューから繁体字を廃止?!
ネット掲示板にアップされたのが上記の吉野家メニュー。漢字と英語でメニューが表記されているが、問題はその漢字のメニュー「鱼」「饭」など中国本土で使われている簡体字で表記されているのだ。香港で使われる漢字はいわゆる繁体字(正字)。香港人をないがしろにするのかと話題になり、吉野家香港のフェースブックページに抗議メッセージが計1000件以上書き込まれている。
「新年の願い、教えて!」という書き込みには400件以上のコメントが寄せられた。ほぼすべてが「繁体字を使って!」という内容だ。
ちょっと気になるのが吉野家香港は本当に繁体字を廃止したのかという点。公式サイトは繁体字表記のままだ。フェースブックページへの抗議が呼びかけられている香港のネット掲示板にしても、「吉野家許せない!もとから行ったことないけど」という頼りないコメントばかりで、確かめてきたという人がいないようなのだが……。
■企業メッセージだけ垂れ流すアカウントって……
炎上したといっても多くて数百人が突撃した程度だと思われるのだが、「繁体字廃止」ネタというのは香港人にとっては鬼門のようだ。
中国本土ではテレビからの方言排除を目指しているが、その一大抵抗勢力となっているのが広東省。そして同じく広東語を話す香港人も広東語排除の動きには敏感だ。昨年7月、そして今年12月にも「広東語放送が禁止に」というニュースが流れ、強い反発が起きた。この話題が話にあがるたびに抗議運動が起きるが、同じく広東語を話す香港人にも声援を送る人が多い。
「香港アイデンティティとはなにか?」を考える絶好のネタではあるが、ここはそんなに深入りしないでおこう。ともかく、炎上しやすいネタであるとだけ指摘しておこう。
実際に1000件以上もコメントが書き込まれるプチ炎上となっているのだが、 吉野家香港のフェースブック担当は 一切反応を見せない。デマならばそう発言すればいいし、本当にメニューから削られていたとしても、なんらかの反応を見せればいいのに。
最近はソーシャルサービスがトレンドだが、ファンのメッセージをちゃんと受け取る気がない、自分のメッセージだけ垂れ流しの企業アカウントって意味がないのではないだろうか。
*吉野家香港炎上の話は大須Blogさんに教えていただきました。ありがとうございました。
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