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「黄牛党」は死なない=実名制の裏をかくニュー・ダフ屋ビジネスが話題に―中国

2012年01月10日

2012年1月、旧正月の民族大移動・春運では、鉄道の切符争奪戦が熾烈を極めている。切符販売サイトのアクセス数は1日14億アクセスを記録したという。


Charter Train in China - exterior
Charter Train in China - exterior / Train Chartering & Private Rail Cars

9日付中国新聞網、10日付中国新聞網、10日付網絡導報を主に参照した。

■ダフ屋の稼ぎ時到来

旧正月前後40日間にのべ32億人が移動する帰省ラッシュ、Uターンラッシュが「春運」。飛行機よりも安く、バスよりも(少しは)快適で定時運行性が保証されているのが鉄道だ。というわけで、人々が帰省切符を買おうと殺到し、毎年大変な騒ぎとなる。

「黄牛党」(ダフ屋)にとっては荒稼ぎの好機到来だが、中国鉄道部は今年、強力な対策を導入した。それが実名制だ。実名制で転売できなくすれば、ダフ屋商売はなりたたないだろうという読みだったが、ダフ屋もあの手この手で対策を導入しているようだ。


■ニュー・ダフ屋ビジネス

8日からスタートした春運。切符予約販売サイトは8日に10億アクセス、9日に14億アクセスという爆発的なアクセスを記録している。サイトがダウンし、つながらない時間が多いという。私もさきほど試してみたが、当然の如くアクセスできない状態が続いていた。

みんなどれだけF5キーを連打しているんだ、と思ったが、どうやら手動だけではなく、予約販売サイトにアクセスするためのソフトウェアなるものが販売されているらしい。つながるまで自動的にアクセスを繰り返すものと推測される。なるほど、こんなものが出回っていれば、14億アクセスという数字も納得だ。

もっとも、「切符予約ソフト」のまがいものも出回っているという。「これさえ使えば帰省できるぜ」と勢い勇んで購入した人が、「インストールしたら、エロ広告が表示されるようになっただけで、他に機能はなかった。がっかり」という切ない告白をしている。

また電話予約支援マシーンも発売されている。こちらは0.8秒に1回という猛烈なスピードで予約受付番号に電話しまくるというマシーン。つながるまで連打を繰り返す仕様だ。こんな卑怯な技を使っている人がいるならば、一般人が予約するのは確かに難しそうである。


■トラディショナル・ダフ屋ビジネスも健在

予約支援ソフト、機器の販売というニュー・ダフ屋ビジネス以外にも、伝統的なダフ屋ビジネスもまだがんばっている。どうやって実名制をくぐり抜けるかがカギとなるが、

(1)注文を受けてから、電話予約支援マシーンで普通に注文。買えたら手数料をもらう。買えなかったら「ダメでした」と謝る

という普通のやり方から、

(2)ニセの身分証番号で切符を購入する。切符を買いに来たお客には偽造身分証と切符をセットで販売。
(3)ある特殊なやり方で切符をキープ(予約しておいて、キャンセルと同時にまた予約という手段かと)。客の注文が入ったら、その人の身分証番号で正式に発券。

という裏技まで出回っているという。一昔前までは「鉄道局にコネがある人に頼む。横流しされた切符をダフ屋が売る」というのが主流スタイルだったが、規制が厳しい昨今ではあまり話題となっていない。もっとも隠れてうまくやっているのかもしれないが……。

ネット・電話予約は12日後の切符まで購入可能だ(窓口は10日後まで)。今年の旧正月は23日、大みそかは22日。大みそかまでに変えるための切符は10日が最後の発売日となる。「年夜飯」(大みそかに家族一緒に食べるご飯)を食べる最後のチャンスを求めて、帰省客たちは決死の戦いを繰り広げている。

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