■チェンマイの病院、入院体験記■
*本記事はブログ「チェンマイUpdate」の2012年1月9日付記事を許可を得て転載したものです。
■新年早々にタイで入院
今年は背や腰の痛みも減り体調が整ってきたので、ゴルフをはじめ屋外活動を増やそうと思っていた。ところがその矢先、新年から病院に入院することになった。
5日夜、久しぶりにムーガタ(豚野菜ジンギスカン鍋)を食べ焼酎を飲んだが、焼酎にあたったのか、翌朝2時ごろからお腹が下り、朝方までトイレに2~3度行くはめに。焼酎が犯人とは決め付けられないが(焼酎を飲まなかった相手は平気だった……)、なにかの原因でバクテリアが消化器に入ったのだろう。薬を飲んで家で寝ていれば直っただろうが、万一バクテリアが血液にまで入るといやなので、チェンマイの病院に行ってみることにした。
■チェンマイの病院事情
チェンマイの外国人向けの病院(つまり高くて待ち時間の少ない大きな病院)はいくつかあるが、最近はごぶさただ。Mさんなどの話を聞き、街の南のピン川沿い、ホリデー・インホテルの隣りの「ラチャウェー病院」に行ってみることにした。
以下の病院はある程度のイメージがある。
・お堀の北西角、センタンの隣りの「チェンマイ・ラム病院」はいつもすいているが、何でも高いという話ばかり聞くので、健康チェックにしか行かない。
・スーパーハイウェイ北側の「ランナー病院」は、以前家族に薬の処方が3倍も出され、その結果薬疹になり入院したことある。以来行っていない。
・お堀の東側、アーケードへ行く通りの「マコーミック病院」は、タイ人の入院見舞いに行ったことがある。キリスト教系の落ち着いた病院だ。
・お堀の西側、チェンマイ大学の先生が来るスアンドーク病院には、通常の公立病院と並んで「シーパット病院」がある。昨年腰を痛め行ってみたが、長く待たされた上にあまり診察もされず、注射と投薬だけ。金儲けだけが目に付いたのでもう行かない。
・北へ行く107号線、ランナー・ゴルフ場の北にある「ナコンピン病院」は、これもタイ人の見舞いで行ったがタイ人向けの質素な総合病院だった。
そこで消去法の結果、行ったことのないラチャウェー病院へ行ってみることにした。受付も早く、待たされない。日本語サービスもある。ついでに入院してみることにした。
■入院のほうがお徳な理由
これには伏線がある。タイでの滞在が年の大半と長くなったため、昨年10月に住民票を移すと共にこちらの医療保険に入ったのだ。こちらの医療保険は、以前書いたように、入院と事故が中心の保険である。日帰り診療はカバーされない
同じような診察、治療を受けても、日帰りだと保険でカバーされないが、入院すると、室料等は余計かかるが保険が下りる。実態的にどう違うのだろう?腹くだしなど、普通は病院に行かないし、まして入院などしない。医師に「入院します」と言うと、当然のようにそうしてくれる。「病室が混んでいるので、この程度なら家に帰って薬を飲んで横になっていればいいですよ」などと、ショーバイにならないことは言わない。
ロビーから差し回しの車椅子で病室まで運ばれるのは、ちょっとしたVIP気分。一泊2000バーツのVIP病室は角部屋で、ホテルの大きなスタジオ・タイプより広い(もっともがらんとして殺風景だが)。それでも、もちろん個室で、冷蔵庫、風呂、無線LAN付きだ。
■患者と病院のWin-Win?!
採血と点滴を手の甲に射された時は痛かったが、あとはベッドで休むだけ。食事と検温、血圧測定に看護婦がときどき来るだけ。夜はベッドでインターネットにつないだ。結局、医師はその日は往診に来なかった。血液、便検査でたいしたものでないことがわかったのだろう。翌日午前中に、「退院しますか?」と確認に来てくれた。
請求書を見て、医師が黙って入院を受け入れた理由が良く判った。入院したことで、その時間分、点滴や、看護婦の働きが多くチャージできるからだ(考えれば当たり前のこと)。入院したことで、費用は日帰りの倍ほどにはなっているはずだ。
医療保険の支払い手続きだが、入院から最初の6ヶ月は自分で治療費を支払う必要がある。その後に保険会社で手続きをしなければならない。手続きから2週間後に限度額超過分だけ引かれた金額の小切手が送られてくるはずだ。