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■旧正月の帰省と親の心配事
旧暦の正月(春節)になると、中国ではみなが一斉に故郷に帰ります。日本の盆や正月を連想していただければいいのですが、13億人の中国だけに日本をはるかに超える大混雑です。
さて、田舎に帰ると、結婚して一人前という古い価値観がまだまだ残っています。なので、帰省すると、「おまえもそろそろ結婚を」という面倒な話になってしまうわけです。日本より「孝」の観念が強固な中国では、親の意見を無視することはなかなかできません。
この面倒な事態を回避するための手法として、数年前から「恋人レンタル」なるものが流行っています。恋人を雇って一緒に実家に帰り、親を安心させるというサービスです。ちょっと不思議で面白い話なので、毎年飽きもせずに同じ話題が取り上げられるのですが、今年もやはり報道されています。
■「レンタル恋人」とその条件
いくつかある記事の中で、
愛麗女性網の記事が面白かったので、ご紹介します。
今の若者たちはネットどっぷりですから、「レンタル恋人」の相手もネットで探すのが一番手っ取り早いとのこと。記事で紹介されている人も仕事が忙しいので、お金はあっても恋人探しの時間がないそうです。となれば、やはり「恋人レンタル」もネットで探すのが気楽でしょうね。
ちなみに普段からネットを通じて人と交流しているので、ネットでの「レンタル恋人」利用にも抵抗は少ないとのこと。相手探しですが、コミュニティサイトに加え、中国最大のC2Cオンラインショッピングサイト・タオバオもよく使われるのだとか。検索すると、数千人の「恋人」が出品されているそうです。
面白いのがレンタル料の設定です。
1日いくらの基本料金に加え、
荷物運びなどの肉体労働:1時間70元(840円)
トラブル時の医療費:実費
飲酒代金:
白酒100mlあたり50元(600円)
洋酒100mlあたり60元(720円)
ビール500mlあたり20元(240円)
その他恋人として振る舞うことにより発生する費用
といったオプションがあるとのこと。他にも「帰省時の荷物持ち、2キロあたり時給20元(240円)」「両親と一緒にテレビを見る、世間話、朝の運動につきあうのはOKだが、両親の足を洗うのはダメ」という細かい規定があるケースもあるそうです。
■来年どうしよう?!
記事では最後に、「レンタル恋人」の合法性について弁護士のコメントが載っています。「恋人レンタル」といっても雇用関係の一種に過ぎないので、問題はなし。ただ道義的にも法的にも慎重になるべきという無難な回答でした。