■ビルマの政治犯釈放、新年になって“4度目の正直”となる■
*本記事はブログ「チェンマイUpdate」の2012年1月14日付記事を許可を得て転載したものです。
Myanmar / Burma Market / Eustaquio Santimano
■改革には政府と反対派の協力が不可欠
ビルマの改革には政府側と以前の反対派(アウンサン・スーチーの国民民主連盟や各地の民族解放戦線)との協力がなければ進まないだろう。
2012年4月1日の中間選挙にはアウンサン・スーチー自身も立候補することになった。「政府側にうまく使われるだけだろう」との批判もあるが、中に入ってみなければ切り開かれない面もある。もっとも、ビルマの議会は今のところ実効力に乏しいようだが。
そのNLD(国民民主連盟)だが、寄る年波に勝てなくなってきている。アウンサン・スーチーは66歳だが、彼女を支える入獄歴最高のウ・ウインティンは、すでに82歳だ。NLDは若い血、新しい人間を求めている。
■4度目の政治犯釈放、実効性はあるのか?
反対派の人材となると、監獄に収容されている政治犯に眼が行く。ビルマ政府は1月12日、651人の囚人を釈放するとテレビで放送したが、政治犯の数は今のところ不明だ。なおこの日、政府とカレン族との停戦協定も調印された。
2011年3月30日に新政権が発足して以来、これが4度目の釈放となる。過去2万人が釈放されたが、政治犯は347人に留まると見られる。なおNLDによると600人近くの政治犯が、活動団体によると1500人以上が、今なおなお囚われの身だ。
今回の釈放がどれだけの実効性を持つのか。その基準となるのが以下の3人が釈放されたかどうかだ。
・クン・トゥン・オオ(シャン族のリーダー)
・ミン・コ・ナイン(学生デモのリーダー)
・シン・ガンビラ(仏教徒の活動家)
当初3人は今回も含まれていないと報じられたが、翌日になって3人とも前首相キン・ニュント(73歳、自宅監禁)とともに釈放されたことが判明した。