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パクリ・ガンダムも登場する中国国産CGアニメがスゴい=最新技術のもったいない使い方(Alex)

2012年01月18日

■やっぱり中国国産アニメは色々と「すごい」■

*本記事はブログ「オレ的中国の実態」の2012年1月16日付記事を許可を得て転載したものです。


今回ご紹介する動画。最近、中国マイクロブログ・新浪微博で話題になっていたものです。俺を含め、多くのネットユーザーを驚愕させました。


中国語がわからなくても大丈夫です、ベタ過ぎるセリフで、バカでも完璧に脳内再生出来ると思います。

ざっくり説明してみましょう。
 
前半35秒のベタなナレーション後、突如登場した三人の主人公。

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妙にリアルなCGで作られたただの三人の近所にいそうなハナタレ小僧ではないですか。個性もクソもリアリティ追究のあまり全部消えてしまいました。「地球小卫士」(地球の小さな衛士)と名乗るだけで、名前はなんなのか、出身及び育ちはなんなのか、所属組織はなんなのか、なぜこんな小さな子どもが地球を守る事になったのか、大人はどこに行ったのか、細かいことは一切伝えられておりません。

6分の中国国産アニメにそんなに求めてはいけません。それにしても、戦闘服、エヴァのに似てません?

そして43秒目、なんの前触れもなく、後ろに突然ガンダムらしき物体が出現します。

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「絶対ガンダムだよ!SEEDのフリーダムガンダムだよ!!」と言いそうになったそこのあなた、違います、よく見てみなさい。「和平卫士」と書かれてるのをお見逃しです。名前が違うから、パクリなんかではありませんね、分かります。

そして悪役登場です。やはり細かい情報は一切なし。「グフフ、なんて美しい惑星だ。」侵略する気まんまんです

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スクリーンショットにはありませんが、このカマキリ似の科学者はあとで意味もなく、前触れもなくずっこけます。侵略の事で興奮したのでしょうか、頭が大きすぎて支えきれなくなったのでしょうか。知らんわそんなこと……。

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そしてなぜか部下がゴリラの怪物。なんか初代ウルトラマンにこんな怪獣がいた気がしますそしてなぜかゴリラの後ろに見える戦闘員がゼリー状生物。典型すぎる悪役オンパレードです。とりあえず、彼らが地球侵略を企んでいます。

と、ここで画面一転。こ、これは万博中国パビリオンではないか……。

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最近はやりの「ステルスマーケティング」にしてはわかりやすすぎ。
 
「ヘイ!遅いよ!」

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実生活でこんな「ヘイ!」の使い方見たことありません。見てると分かりますが、この三人、目も死んでいれば、喋る時に口元もろくに動きません。終始無表情です。

「一緒に万博行こうか」

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バックの彫刻は一体…

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と思いきや、腕時計のブザーが鳴り、緊急事態に。

そうです、邪悪な宇宙人による地球侵略が始まったのです。

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トイレや下水道掃除のCMに出てきそうなバイ菌に似てる戦闘員ですね。Weiboでは「コンドー◯」とよばれているそうです。それよりお前らモビルスーツなしで侵略してくるとは正気なのか?相手は、ガンダム、いや「和平卫士」ですよ。

小僧(地球的小卫士)が出動します。

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さっきまで私服姿でしたが、三人とも走ってる途中、一瞬に戦闘服に着替えます。まあ、いいや。

「ヘイ」

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気づいたらいつの間にか、彼らは宇宙空間に出て、変なかけ声と共に、胸元を光らせます。戦闘服はすでに身につけてるし、これから彼らが変身するわけでもなく、まさに謎(意味不明)の光です。動画を見ると分かりますが、非常に不気味なかけ声です。

まさかの三人で一台操縦、まさかの額の赤い部分から融け込むような感じでコクピットに入るとは。

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注:フリーダムガンダムではありません。絶対に。

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彼らが持ってるライフルって、これまたガンダムのライフルに似てるような気がします。

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「和平卫士」はとても強く、ライフル一発で、宇宙人四体を蹴散らします。

「フン!」

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役立たずの戦闘員が全滅したのでゴリラが自ら出撃。考えて見れがあんなかっこいいガンダム似のヤツがゼリーだの、ゴリラだのとガチで戦うのはそう簡単に見れる絵ではありません。「夢のコラボ」というほどではありませんが。

「うわっ!」

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見かけによらず、ゴリラは強そうです。

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と思う間もなく、瞬く間に弱点は「心臓」だと判明。

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で、イチコロ。

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逃げようとするカマキリも……。

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戦艦ごとイチコロ。

勝ったハナタレ小僧、所詮ガキ、喜びを抑えきれず、思わずバンザイしながら「イエ〜イ」と一言。
見てる最中、後ろのガンダム、いや、「和平卫士」も一緒にバンザイしてしまうのかと、ハラハラしてたまりませんでした。

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そして、「万博は予定通り開幕した」と続きます。あれ、宇宙人って地球を侵略しに来たんだよね、べつに万博の開幕を阻止しようと来わけでもないし……。て言うか、絵の使い回しがバレバレ……。ハナタレ小僧にCG使い過ぎたから経費削減に必死なのでしょうか。

「オ〜!開幕式に間に合った」

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ええええええ?!ちなみにこれがラストセリフです。まさかこんな形でオチが付くとは……。昔トリビアの泉でやってた「SPEEDのコンサートを見に行くため持ち時間を使いきらずに勝ったプロ棋士がいる」と同じ感覚で、速攻で宇宙人を撃退したのに違いない。
 
ついさっき地球を邪悪な宇宙人の手から救ったのにもかかわらず、すぐにでも万博開幕式という重要式典に向かうのを心がけてるとは、彼らはきっと優秀な少先隊員に違いない。そして将来はきっと優秀な中国共産党員になって、地球を資本主義宇宙人から守り、社会主義を全宇宙に広め、共産主義を実現するのに違いない。「和平卫士」を某広場の戦車のように使わなければいいけど。

画面右側の仮面ライダーに似てる謎の彫像はスルーします。

ラストに出てくるのは、「このアニメを通して上海万博が無事開幕するよう願う」とのテロップ。はぁ、やっぱりそうだったんですね。それにしても、このアニメ、一体どこで最初に放送されたのでしょう……。これ見て誰が得するんだよ。

調べてみるとこれは「虚游記」 という代物。上海衆妙科技有限公司が開発した、人間をCG化しアニメに出演可能にする技術で制作された動画です。子供時代にこんな動画に出演したら、大人になった時には黒歴史となっていそうですが……。

興味のある方は「虚游记」と検索ワードで、Youkuなど中国動画サイトを調べると、他にもいろんなバージョンが見つかるかと。とにかく、堂々と日本のアニメをパクって、意味不明の点が山ほどあるクソみたいな中国国産短編アニメでした。

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*本記事はブログ「オレ的中国の実態」の2012年1月16日付記事を許可を得て転載したものです。

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