• お問い合わせ
  • RSSを購読
  • TwitterでFollow

大学が舞台の日本アニメって少ないのはなぜ?もう青春じゃないの?中国人オタクの疑問(百元)

2012年01月22日

■中国オタク「日本のアニメで大学が舞台の作品が少ないのってなぜ?」■

*本記事はブログ「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の2012年1月7日付記事を許可を得て転載したものです。 


赤門
赤門 / yto

■なんで大学が舞台のアニメやマンガって少ないの?

日本のアニメや漫画では学校を舞台にした作品がかなりありますが、学校と言っても中学や高校を舞台にした作品が多く、大学を舞台にした作品は少ないかと思います。特にアニメ化されるような作品は少年漫画が多いですから、アニメで大学を舞台にした作品と言うのはかなり珍しいですよね。

先日、中国のソッチ系の掲示板でこの「日本のアニメで大学が舞台の作品が少ない」ということに対する疑問や考察のやり取りを見かけましたので、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


■中国人オタクの反応 

ふと疑問を感じたんだが、日本のアニメで大学が舞台の作品が少ないのってなぜ?中学や高校が舞台となる作品はどんなジャンルにも数多く存在するが、大学となると極端に少なくなる。キャラクターにしても、大学生が主人公の作品ってかなり少ないし。

そういや大学が舞台の作品って珍しいよな。最近だと「四畳半神話体系」とかをかなり珍しい舞台設定だと感じたし。あとは「もやしもん」くらいかな?

俺が思い出せたのは「ああっ女神さまっ」「げんしけん」くらいだ。考えてみると大学が舞台の作品って本当に少ないね。高校生がメインの作品は数えきれないほどあるけど、大学生がメインの作品てどれくらいあるんだろう?

無いわけじゃないよ。「ハチミツとクローバー」や「のだめカンタービレ」のような名作もある。ただ、バトルやファンタジー系となると、大学生が主人公のアニメってのはホントに無いかも?

日本の大学は高校に比べてバトルが発生し難いのかもな。

大学を舞台にした作品が少ない理由は一体何なんだろうね?キャラ年齢がネックなのかとも思ったが、天才ロリキャラや留年老けキャラとかは高校だろうが大学だろうが別に問題なく出せるし。

昔の作品でも大学が舞台のアニメって少ないね。私が知ってるのは「YAWARA!」くらい。あと大学が舞台ではないけど「めぞん一刻」は大学生が主人公のアニメか。

ウチの国だとオタクの活動が盛んになるのは大学からだし、大学が舞台だと感情移入しやすいように思うんだけどなぁ。私は大学のサークル活動を「日本の漫画の中の部活みたいだ」と感じたこともあるし。

日本の大学には青春が少ないのだろうか?恋愛要素に関しては、高校よりも大学の方が活発になるように思えるんだが。

大学だと恋愛関係がドロドロし過ぎたりするからとかかね。いやでも、そういうのは見せ方次第でどうにかなるだろうしなぁ。

日本では中学生や高校生が妄想し易い年代なんじゃない?逆に大学生は現実的すぎるから、アニメや漫画には向いていないとかでは。

現実の日本の大学生活って退廃した部分も少なくないから、全年齢向けの漫画の題材にするのは難しいんじゃないの。てかそもそも大学に入った時点で少年漫画の主人公という年代ではないし。

青年漫画とかだと大学生や大学関係の作品多いけど、アニメにして一般の広い層向けに普通に放映するのは難しい作品が多い。どっちかと言えば、ドラマ向き。

そら中二要素は大学じゃ発揮できないからだよ。

いやいや。中二病に年齢制限はない。例えば「STEINS;GATE」は主人公が大学生だが、重度の中二病患者だぜ。

視聴者層の関係だろ。ウチの国では国産アニメを見るのが小さい子供だから動物キャラばかりになるようなのと同じで、アニメに一番ハマるのは中高生だから、舞台設定も自然とその年代の好みに近くなるんじゃないかと。

大学が舞台で恋愛まで書くと18禁になっちゃうからだろ。18禁的な部分も含めてなら大学ってのもアリなんだろうけど。

その認識は間違ってるぞ。18禁ゲームでも学園系の作品で大学が舞台になるのは非主流だ。非18禁だが「Memories Off」の3と5とか大学生だけど、大学内の描写は特に無いし。あと18禁部分は直接描写しなけりゃいいんだよ。少女漫画系の作品ではその辺うまく回避している。

日本ではアニメを見ている人間の多くが低学歴だからなんじゃないの?ヤマカンの話に「低学歴のオタクは素直」ってのがあったし、そういった一般層というか大学行っていない多数層にウケる作品を狙う場合、大学が舞台ってのはマイナス要素になるんだろ。

読者もそうだけど、作者の問題もあるんじゃない?ほとんどの漫画家って高卒だし。

私は大学だと就職とかの現実的な問題が出るってのが理由の一つだと思う。高校が舞台だと作中の環境だけで完結できるけど、大学では現実に引き戻されてしまうというのがあるんじゃないかな。例えば高校なら金持ちだったりエリートだったりする人間ばかりの生徒会が学校内で権力を行使しまくっていてもいいけど、大学だと一般社会とのつながりを意識せざるを得ないからそういった設定や行為に説得力を出すのが難しくなると思う。

大学になると学校における経験が多様化するので、お約束的な設定やネタを使えないからじゃないか?農業や化学などを突き詰める作品ならともかく、中途半端な専門性では見ている人間が想像し難いものになってしまうんじゃないかと。

考えてみれば、日本の大学生活って細かい所がイメージし難いな……。日本の大学って、ウチの国のように研究生(大学院生)になるための通過点みたいな扱いではないらしいし。

日本の大学は基本的に4年の本科で終わりにして就職するケースがほとんどらしいね。ウチの国と違って院に進むのは少数派だとか。不思議なことに日本では大学院で学位取ると一般企業からは「扱い難い人材」「コストに合わない人材」として敬遠されてしまうという話だ。

ふと思ったんだが、大学には制服が無いからというのが原因ではないだろうか?日本の作品の「制服」って作品の特徴づけにもなるし、制作する際の手間も省ける。そして何より、見ている方も非常に嬉しいモノだと思うんだが!

とまぁ、こんな感じで。一理あるものから明後日の方向に行っているっぽいものまで、イロイロな見方が出ていました。


■ 中国人オタクは大学が「黄金時代」

中国オタクはなんだかんだでアニメ経由で作品に接することが多いので、ライト寄りなオタクの場合は日本の青年漫画系の作品を知ることは少なく、「大学が舞台の作品が少ない」という印象が強くなるのかもしれませんね。

また、中国の学生が本格的に趣味に没頭できるのは大学なり専門学校なりへの進学が無事終わってからなので、中国オタクは一般的に大学生の時がオタクとして一番「熱い」時期になっています。そういったことから中国オタクにとって、自分達と共通する所も多く感情移入し易そうに思える「大学生活を舞台にしたアニメ」が少ないのはちょっと残念に感じるのかもしれません。

コメント欄を開く

ページのトップへ