中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2012年01月22日
年夜饭7 / *flydog*
■大みそかディナーの登録制がブームに?!
毎年、旧正月が近づくと豪華「年夜飯」ニュースがメディアをにぎわす。やれ超高級フカヒレだ、1本10万元(約120万円)の白酒だ、1卓8888元(約10万6000円)のコース料理だ、云々。さらには「セクシー下着ショー付き年夜飯」とかとんでもない企画で勝負する会社も(CFP)。
高級レストラン、ホテルにとっては稼ぎ時だが、その一方でトラブルも耐えない。収容能力を超えて予約を取り、家族で楽しく食事しようとレストランに行ってみたら席がなかった。高い金を払って「超高級VIPセット」を予約したら、みすぼらしい食事しか出てこなくてケンカにというのが主要パターンだ。
毎年同じトラブルが続くことに業を煮やしたのか、各地の地方政府が「年夜飯登記制」を推進している(斉魯晩報)。詳細は各地方によって異なるが、一定人数以上の年夜飯を提供する企業は政府に届け出をする必要があったり、許容人数を超える受け入れは許可されなかったりといった内容だ。
誰も働きたくないこの旧正月に、有効性が怪しい届け出を受け付けなければならない役所の皆様、ご苦労さんといったところだろうか。
■グルーポン系サイトで頼む年夜飯
さて、上述の年夜飯トラブルを読むと、日本人的には昨年一世を風靡した「グルーポンおせち」が想起される。中国はどうかというと、もちろんグルーポン系共同購入サイトで、お安く年夜飯が頼める仕組みだ。共同購入ガイドサイト・団800発表の統計によると、北京、上海、広州など主要10都市で販売された年夜飯は5万4000件、総額3000万元(約3億6000万円)近いという(新華網)。
とはいえ、トラブルが多いのも事実。「個室使用不可」、「飲料の持ち込み禁止」(中国では飲料の持ち込みは基本的にOK。経費で飲み食いできない一般人は近くの酒屋で買って持ち込むケースが多い)などの細かい制限があるほか、「宣伝されているほど豪華な料理じゃない」「チケットは買えたのに、満員で予約できなかった」などというケースも。新聞では、グルーポン系サイトでの年夜飯購入に注意しようなどという呼びかけもあった(人民網)。
■自宅が一番なごむ……けど大変
また新華網は「年夜飯の自宅回帰傾向が次第に強まる」という記事も掲載しているが、「ホテルが満員だから仕方ない」とのコメントもあり、「家のほうがのんびりできるし、トラブルおきないし、そのほうがよくない?」という願望込みの記事のようにも見える。
年夜飯はもともと自宅で食べるものではあるが、その準備は大変だ。多くの親族が集まる家では、料理ができる人が1日がかりで料理を作りまくることになる。この苦労を考えれば、ホテルでの食事が人気が出たのも理解できるのだが……。
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